第79話
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あ、オリアナ達の言っている取り引きっていうのは・・・」
「霊装単品の取り引きじゃない。
「ローマ正教の都合の良いように支配された」・・・学園都市と、世界の支配権そのものだろうさ。」
ステイルは大きく深呼吸した。
口の端にある煙草が、酸素を吸ってオレンジ色の光を強くする。
「片方の受け取り先が分からなかったのは当然だぜよ。
この取り引きは、他の誰も関わっちゃいなかった。
ロシア正教が怪しいなんて話もデマぜよ。
ローマ正教が自分で自分に送るだけのものでしかなかったんだからにゃー。」
土御門の言葉に続くようにステイルは言った。
「止めるよ、この取り引き。
さもなくば、世界は崩壊よりも厳しい現実に直面する事になる。」
その声に上条と土御門は頷く。
だが。
「そうか、なら頑張ってくれ。」
麻生だけは頷かなかった。
麻生の言葉に一番反応したのは上条だった。
「恭介は手伝ってくれないのかよ!!」
「ああ、「使徒十字」がどんな霊装かは分かったし、興味も失せた。
それと最初に言った筈だ。
俺はお前達の面倒事に関わる気はないってな。」
そう言って腰を上げると、どこかへ行こうとする。
しかし、上条が肩を掴んでそれを止める。
「分かっているのか?
もし、「使徒十字」が発動すれば、ローマ正教の都合の良いに動いてしまうんだぞ!!
そうなったら・・・・」
「それがどうした?」
麻生の言葉に上条は言葉を失う。
「ローマ正教の支配下になろうと俺の知った事じゃない。
俺に被害が及ぶのなら全力で止めるが、今はそれも見られない。
だったら俺には関係のない事だ。
そっちはそっちで頑張ってくれ。」
上条の手を払った麻生は三人に背を向ける。
そして、そのまま去って行った。
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