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とある星の力を使いし者
第79話
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ローマ正教の支配下に置かれるんだ。」

上条は初め、麻生の言葉が理解できなかった。
だが、土御門は苦笑いを浮かべ、ステイルは鬱陶しいそうに煙を吐いている。
そのまま麻生が上条に説明する。

「ペテロについて説明するのも良いが、お前に説明しても意味が分からないと思うから省略する。
 具体的な効果を言うと、ギャンブルのいかさまのように幸運と不幸のバランスを捻じ曲げ、何をやってもローマ教会に都合がよくなるようにするという運命操作的なものと考えればいい。
 その幸運はローマ正教徒以外のものにも与えられるが、客観的な幸運というわけでは無論無く、どんなに不幸なことが起こっても幸運としか感じられないような状況を作り出す、といった感じだな。」

「その説明で間違ってはいないね。」

魔術師であるステイルが本当なのだと言ったのだから、事実なのだろう。
それでも、上条は上手く理解できなかった。

「一例をあげると、 ローマ正教を標的としたテロに巻き込まれたが「奇跡的」に助かった、ていうのが一番簡単な例だな。」

「うん?
 それだと別に悪い事なのか?
 別に問題もなさそうに聞こえるんだけど。」

「大有りだ。」

ステイルは吐き捨てるように言った。

「良いか、そもそも「使徒十字(クローチェディピエトロ)」がなければ、ローマ正教の勢力圏でなければテロ自体起きなかったはずだ。
 周囲の人間も幸福しか感じらないから、ローマ正教の支配も納得して受け入れてしまう。
 結局ローマ正教の幸運の分、割を食う羽目になっている。
 強制力は黄金練成(アルス=マグナ)にも匹敵するが、それほど人の意思を汲み取ってくれる訳ではなく、ローマ正教全体の利益を自動的に実現する。」

「ちょっと待てよ。
 それじゃあオリアナ達は具体的に何をしようとしているんだよ?」

「世界を二つに分けると、魔術サイドと科学サイドに分かれるにゃー。
 今はちょうど、バランスは半々に保たれている訳だけだぜい。
 その内、科学サイドの長がこの学園都市だにゃー。
 これが全面的にローマ正教の庇護に治まっちまったらどうなると思う?」

あ、と上条は思い至った。
ただでさえ世界の半分を占めている科学サイドが、魔術サイドの「どこかの組織」の下についたら、確実に世界の五〇%以上を手中に収められるのだ。
それが十字教の中でも最大宗派のローマ正教となれば、規模は計り知れない事になる。
使徒十字(クローチェディピエトロ)」を学園都市に突き刺せば、後は全て「ローマ正教の都合良いように」学園都市の方が動いてくれる。
具体的に何が起こるか、上条は全く想像が出来ない。
だが、これだけは言える。
誰もが幸せにしか感じられない世界ができあがる。

「それじゃ
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