第79話
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ておけば良いのにそれをしなかった。
どうやら、お前達は完全に敵さんの掌の上で踊っているみたいだな。
これは、一度集まって話し合った方が良いぞ。」
麻生の言葉に上条は頷く。
すると、携帯の着信音が鳴り響く。
どうやら、土御門の携帯の様だ。
上条は土御門の携帯電話をポケットから取り出すと通話に出る。
相手はステイルの様だ。
「重要な事が分かった。
土御門を連れて、自律バスの整備場の近くにあるオープンカフェに来い。」
それだけ言って通話はまた切れた。
だが、ステイルの声は何か焦っているような感じに聞き取れた。
上条はさっきのステイルの会話を麻生に教える。
オリアナの言葉が正しいのなら、あと一〇分は土御門は目を覚まさない。
すると、麻生が土御門の身体に触れる。
パキン、という音が鳴り響くと土御門の指がピクリ、と動く。
そしてゆっくりと起き上がってくる。
「くっ・・・カミやんにキョウやんか。」
「運ぶのも面倒だから起こした。
さっさとステイルの言っていた場所に向かうぞ。
俺も少しだけ興味が湧いてきた。」
「どういう事だ?」
今まで気絶していた土御門は話を全く理解していないようだ。
「話は後だ。
とりあえず、動きながら説明する。」
そう言って、麻生は簡単な説明を土御門にしながら指定された場所に移動する。
「「使徒十字」。
こっちの言葉ではペテロの十字架、といった所か。
まったく、なんて話だ。」
ステイルは携帯電話で報告を受けた後、ポツリと呟いた。
場所はステイルが電話で話していたオープンカフェだ。
パラソルのついたテーブルが一〇脚ほどあり、その一つを彼が陣取っている。
他の席には上条と土御門に麻生だ。
テーブルには何も載っていない。
注文を待っている訳ではなく、その場の全員が何かを飲み食いするような気分ではないだけだ。
「なぁ、そのペテロの十字架ってのは何なんだ?
不思議物質ペテロで作った十字架って意味で合ってんのか?」
「そんな訳ないだろ、馬鹿。
ペテロは人名だ。
一二使徒の一人で、主から天国の鍵を預かった者だと伝えられる人物だ。」
「何で恭介が知っているんだよ。」
「さぁな。」
適当な返事に上条は少しぐったりとする。
「確かにそれは合っている。
だが、重要なのはそこじゃなく、別の伝承にある。」
ステイルは煙草に火をつけて口に咥えながら言う。
すると、麻生はなるほど、と呟いた。
「恭介は何か分かったのか?」
「まぁな、お前に簡単に説明してやると、「使徒十字」を立てて発動した瞬間、その場所は全て
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