第79話
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のだろう。
幻想殺し(イマジンブレイカー)の力を使えば、「刺突杭剣」は破壊できるので、まずは白い布を取り外す事にした。
「く・・・ッ!何だこれ。
結構・・・硬いな。」
元が業者の梱包を真似ているためか、白い布はかなり感情に巻いてある。
あまりの手際の悪さに麻生はため息を吐くと、左手をその看板に置く。
ピキン、という音がした後、硬い白い布が一気に緩んでくる。
「そういえば、どうして恭介がまだここにいるんだ?」
「その「刺突杭剣」に興味があってな。
実物を見たらどこかに行くから安心しろ。」
「いや、そういう意味で言ったわけじゃないぞ。」
と、会話しながら布地をどんどん剥ぎ取っていく。
何重にも巻かれたガードの向こうから、少しずつ少しずつ隠されていた物が露になっていく。
「そういや、「刺突杭剣」ってどんな形をしているんだ?」
「さぁな、俺も見た事はないから何とも言えない。」
巻かれた布を外し、その先に「刺突杭剣」はなかった。
「は?」
上条は思わず白い布を外した手をピタリと止めていた。
麻生も麻生で、眉をひそめて看板を見つめている。
白い布の中から出てきた物は学生が作ったような、手製の薄い鉄板にペンキを塗っただけの看板だ。
可愛らしい丸文字で「アイスクリーム屋さん」とだけ描かれていた。
「何だ・・・そりゃあ。」
上条はオリアナが持っていたこの看板が偽装してある「刺突杭剣」だと思っていた。
それはステイルも土御門も同じことを思っていた筈だ。
「刺突杭剣」をそのまま運べば学園都市の中で目立ちすぎる。
このサイズならカバンに収める事もできない。
だからオリアナは塗装業者に扮して、誰の目にも怪しまれないように工夫していたんじゃなかったのか。
なのに、彼女が持っていたのが、本当にただの看板だったなら。
「刺突杭剣」はどこにあるのか。
オリアナは何のために上条達の前に現れ、そして逃げて行ったのか。
ステイルや土御門が言っていた大前提は、本当に正しいのか。
そもそも、本当に「刺突杭剣」の取り引きなんて行われるのか?
「恭介、これはどうなっているんだ?」
上条は思わず近くにいる麻生に尋ねた。
彼はこの事件にあまり関係していない。
けれど、聞かずにはいられなかった。
「これは俺の推測だが。
「刺突杭剣」はどこかに隠されている可能性が高い。
わざわざ、こんなダミーを作ったのだからな。
今、考えると街中にあんな堂々と偽装した看板を持っている事がおかしかった。
取り引きの始まるギリギリまで隠し
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