第三十七話 テケテケその十二
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「そういうことはね」
「どうしてもあるわね」
「そうでしょ。まあとにかくね」
「おトイレにいると色々聞くのね」
「少女漫画みたいなお話も」
「結構あるのよこれが」
少女漫画みたいなラブコメがだというのだ。
「ハッピーエンドであればいいなってね、いつも聞いてて思うわ」
「そうそう、ハッピーエンドが一番よ」
テケテケもその話に乗って行って来た。
「あんた達もそうなったらいいわね」
「私達もなの」
「恋愛とかは」
「間違ってもあんた達で一人の男の子を取り合わないでね」
そうしたことにはならないでくれと、テケテケは二人に話す。
「絶対にね」
「そうね、そうしたことはね」
「絶対にね」
二人はまた顔を見合わせた、その間も外は見ているが。
「現実にあったらドロドロして仕方ないわよね、そんなことって」
「幼馴染み同士の三角関係とかね」
「私が聖花ちゃんのお兄さんか弟さんと付き合うならともかくね」
「うちの弟?まだ小さいから付き合ったらまずいわよ」
聖花は愛実の今の話に笑って返した。
「ショタになるわよ」
「じゃあお兄さん?」
「二番目のお兄ちゃん今彼女いないからどう?」
「ううん、どうかしらね」
「お互い知ってるしいいんじゃない?」
「じゃあ聖花ちゃんにはうちの従兄のお兄さん紹介する?」
「そうしてくれる?」
結構本気で話す二人だった、二人共まだこうした話には実際の経験はないがそれでも意識はしているのだ。
それでこう話す、そしてだった。
二人にだ、またテケテケが行って来た。
「それでもうすぐよ」
「博物館の裏玄関ね」
「そこね」
「そう戻って来たわよ」
学園を一周したというのだ、この広い八条学園を。
「大学の農学部とかね。そういえばね」
「そういえばって?」
「いや、小学校も通ったけれど」
その時にだとだ、テケテケは聖花に答える。
「あそこにお稲荷さんがあるのよ」
「社があるの」
「あそこも色々言われてるのよ」
そこも怪談の場所だというのだ。
「十二時にその裏手に行くとね」
「そこが泉かも知れない」
「そう言われてるのね」
「そうしたお話もあるから」
だからだとだ、テケテケは二人に話していく。
「行ってみる?次は」
「ええ、それじゃあね」
「次はね」
「何処でも行ってみることね」
例え鉄道博物館の裏玄関、トンネルの入口を模したそこも泉でなかったとしてもだというのだ。
「だからね」
「そうね、あそこが泉でなくてもね」
「次はね」
「行くといいわよ。さて」
ここまで話してだ、テケテケは正面に向きなおった。
エスエルは今まさにトンネルに入ろうとする、二人は妖怪達と共に少し緊張を感じた。機関車は今トンネルの中に入った。
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