第78話
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面に向かって拳を軽くぶつけると、そこから凄まじい衝撃波が生まれ、アスファルトの破片などを巻き込みながらオリアナに向かっていく。
「!?」
オリアナは驚いた顔をするが、冷静に単語帳の一枚を口で破る。
そこに記されている文字は赤色の「Wind Symbol」。
直後に爆炎を纏った風がオリアナの前に吹き荒れ、そのまま衝撃波とぶつかる。
轟音が鳴り響き、両者が放った攻撃は相殺されるがオリアナが麻生の方を見ると、既に麻生の姿ない。
オリアナは周囲を見渡して、麻生の姿は見つからなかった。
(周りに居ないとなると・・・上ね!!)
オリアナは空を見上げると麻生が拳を作り、オリアナに向かって急降下しようしている時だった。
素早くバックステップを刻み、後ろに下がり麻生の拳を避ける。
麻生の拳はアスファルトの地面に簡単にめり込む。
「不意打ちとか、お姉さんびっくりだな。
もしかしてお友達があんな風になっちゃっている事に怒っているのかしら?」
「別にそれほど。
あいつがあんな風になってしまったのは自分の責任だ。
それに俺は言った筈だ。
お前達が来なければこんな面倒な出来事に巻き込まれずに済んだんだってな。
俺はいらついてるんだ。
だから、このイライラをあんたの身体で静ませてくれないか?」
「いいわよ、付き合ってあげる。
お姉さんのテクニックであなたのその溜まったモノを外に出してあげるわ。」
そう告げて、オリアナは単語帳の一枚を口で破る。
風の真空波が麻生に襲い掛かる。
それを横に移動する事でかわし、一気に接近する。
そのまま左手をオリアナの顔面に向かって突き出す。
オリアナは紙一重でかわすがそこから右手を隙の出来ている水月に向かって突き出す。
だが、それを読んでいたのか単語帳を持った左手で麻生の右手を受け止め、さらにしっかりと握りしめ麻生の身体を固定する。
そこにオリアナの左足が麻生の腹に向かって突き出すように蹴りを入れる。
両手が防がれていたが、右足を曲げてオリアナの足を受け止める。
空いている左手をオリアナの肩に置いた瞬間、オリアナの視界が一回転した。
気付けば背中に強い衝撃を感じ、アスファルトに仰向けに倒れていた。
麻生の足が自分の顔面に向かって振り下ろされるのを見て慌てて、横に転がり避ける。
「投げ技も出来るなんて、あなた結構多才ね。」
接近戦では不利だと考えたのか、オリアナは単語帳の一枚を口元まで持っていく。
オリアナの戦闘スタイルは基本的にカウンター重視である。
力比べや体力勝負では女であるオリアナが不利である。
だからこそ、相手の動きを読みそれに合わせてカウンターをするといった戦法だ。
しかし、目の前にいる麻生はカウンターなんてモノを狙える人
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