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真剣で武神の姉に恋しなさい!
箱根 後編
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、勝負を続けると決意していた。

 ……まったく、負けず嫌いなところは本当に男の子って感じねー。

 千李が微笑を浮かべていると、瑠奈が千李の袖を引っ張る。

「ん?どうしたの瑠奈、トイレ?」

「ううん、違う。お母さん、なんだか大和おにいちゃん苦しそう」

 心配そうな目で大和を見つめる瑠奈に、千李は腰を落とし瑠奈の頭を撫でると、

「大丈夫よ、それに多少苦しいことがあってもそれを乗り越えるのが男ってもんだから」

「そうなの?」

「ええそうよ、だからがんばる姿っていうのをしっかり見ておきなさい」

 千李の声に、瑠奈は大きく頷くと大和のほうに視線を戻した。

 ……さて、じゃあ一喝入れてきてあげますか。

 彼女は大和のもとまで行くと、大和の肩に手を置き小さく告げた。

「応援してるから、がんばんなさい。まぁ、負けようが勝とうが頑張ればいいのよ」

「ああ、ありがとう千李姉さん。だけどやるからには絶対勝ってくるよ」

「そうね……それでこそ男の子だわ」

 千李は軽く大和の肩を数回たたくと、瑠奈の元へ戻っていった。大和たちもスタート地点である山頂まで行くため、歩いていった。




 レースが開始された直後、千李は翔一に提案した。

「翔一、そこ私と代わってくんない?」

「え?……まぁいっか!あいつらが来た時にいってやれば大丈夫だろ」

 翔一は頷くと、千李と場所を交代した。程なくしてクリスの姿が見えてきた、その手には確かにボールが握られている。

「クリスー!タッチするのは俺じゃなくて千李先輩にだからなー!!」

 遠くのほうでクリスが頷くのが見える。そしてその後から一子が迫って来るのが見えるものの、いくら一子が早いといっても追いつける距離ではない。

 ……ふむ、でもこれくらいで終わるタマじゃあないわよねぇ大和。

 内心で千李が考えると、川の上流のほうから大和が駆けて来た。クリスもそれに気付き全力で走るがすでに遅かった。

「俺の、勝ちだぁぁぁーー!!」

 勝利宣言とともに大和は千李に思いっきりダイブした。大和は全身びしょ濡れだったが、千李はそれを気にもせず抱きとめた。

「勝者!直江大和!!」

 百代の声がこだまし、ついに勝敗は決した。クリスも負けてしまったことに、悔しげな表情をする。

「はい、お疲れさん。よくがんばりましたー」

「ぜぇ……ぜぇ……、やってやったぜ……」

 千李の胸の中に顔をうずめながら、大和は息を整える。

 その後、大和は今回の作戦をすべて話し終えると、ついに力尽きたのか意識を失った。その際京が大和の股間に触れていたがそこには触れておくべきではないだろう。


 

 意識を
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