守るべきものは・・・
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ますとそこは真っ白な空間だった。
「また来ちまったか・・・」
「やあ、またあったね」
俺が周りを見渡すとアルモニーがすぐ横に座っていた。
「おおっ!いたのか!」
「ここは君の心の中だってこと忘れてるでしょ?」
アルモニーは呆れた目で俺を見た。
「そんなことより何の用だよ?」
「ああ、君は本当に約束を守るんだなーって言いたくて」
「はあ?」
「“仲間を守る”ってあれ」
「ああ・・・。ってかあれ、約束だったのか?」
「ああ、私の個人的な約束だけどね。さて」
アルモニーは立ち上がると、伸びをして俺の方を向いた。
「君には何だか温かい“何か”を今は感じるよ」
「今は?」
「以前はどこかこの空間に違和感があったからね」
「ほう、それが無くなったと・・・」
「まあね・・・」
「そうか、そんじゃあそろそろ行くよ」
「ああ、また会おう」
俺は前と同じようにあの扉から出て行った。残されたアルモニーは満足そうに微笑んでいた。
「君に託そう・・・。私の力を。そして、この世界の未来を・・・」
〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜・〜
「・・・くん!・・・オン君!」
「んっ・・・あ、ああっ・・・」
シオンが目を覚ますと目の前にはエリーシャの顔があった。
「シオン君!」
「エリー・・・ここは?」
「さっきの谷から少し離れたところ。シオン君あれからずっと動かなくって、もう一生目を覚まさないんじゃないかと思って・・・」
エリーシャは大粒の涙を流しながら言った。
「そうか・・・タイムオーバーして、そのまま動けなくなったんだっけ・・・」
エリーの涙がシオンの頬に落ちてくるその涙をシオンはただただ優しく受けとめた。
「エリー、本当はお前がああなることを俺は少なからず予感していたんだ」
ああなること、即ちエリーシャがクラディールに人質にとられることであった。
「えっ?」
「お前には“生きる覚悟"、“死ぬ覚悟"は教えたつもりでも、“殺す覚悟"は教えてなったからな。あの時お前は迷うんじゃないかって俺は思ったよ。お前は優しいから」
その言葉にエリーシャは頬を少し赤くした。
「俺がお前を血盟騎士団に入れさせたのはそれもあるんだ。人を殺させないために、お前を死なせないために。でも、それは間違いだったんだよな・・・」
「シオン君・・・そんなことないよ」
「えっ?」
シオンがエリーシャの方を向くとエリーシャはシオンの唇を自らの唇で塞いだ。
「ッ!!!」
シオンは少し驚きながらも心が溶かされてゆくのを感じた。唇
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