暁 〜小説投稿サイト〜
少女1人>リリカルマジカル
第三十七話 少年期S
[6/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ですか?」
「ん? むしろ今更それを聞く方が私としては驚きなんだか。まぁ、名前はレティだ」
「じゃあ、レティ先輩で。やっぱり名前が一番です。オンリーワンですよ!」
「かなり取り繕った感がにじみ出てくるんだが」

 いや、この俺に名前で呼ばせるだけでもすごい快挙なんです、レアですよ! と弁解してなんとか先輩に納得してもらいました。


「ところで、レティ先輩は体育祭はどんな競技に出るんですか?」
「私か? 今回は『棒倒し』と射撃の精密さを競う『シューティング』に、『ぷにゅぷにゅ障害物競走』と『魔法合戦』だな」
「おぉ、さすがは高学年の競技。その中にさりげなく入ってくる『ぷにゅぷにゅ』って一体…」

 運動会の風物詩だと説明されたが、俺異世界がちょっとわからなくなってきた。レポートの方は先輩のおかげもあり、無事に仕上がった。そのため終了時刻が来るまで、図書室の隅の方で小声で世間話をしている。さっきまで夏休みのことや学校の肝試し計画などを呟いていた。

 それにしても、地球の運動会との違いとして思うのは、やはりやる気の違いだろうか。地球の運動会は手を抜いているという訳ではないが、クラ校の雰囲気からしてかなり運動会への気合や意気込みの仕方が違うのだ。特に中等部の先輩方にその傾向が強いと思う。

「あぁ、それはアピールのためだよ。しかし、よく気付いたな」

 感心したように先輩から言われたが、なんとなくだと笑って答える。さすがに前世と比較したからなんて言えないからな。

「ところで、アピールって保護者の方々に?」
「くくっ、いや外部の方々にだよ。これだけ大きな学校同士のイベントだから、会場も広くとっている。中に入るには身分証明が必要だが、逆に言えば身分が証明されていれば体育祭に入ることは保護者じゃなくてもできるんだ」

 にやり、と笑う先輩の顔は、なんだかすごく様になっていた。きっと年期が違うんだな。にやりと笑う年期が。自分でも褒めているのかはわからんが。先輩の様子からすると、どうして児童が外部の方々にアピールする必要があるのかわかるか? と試されているように俺は思った。

 外部ってことは保護者ではない。そして学校側が受け入れているんだから、おそらく相互にとって利益がある関係なんだろう。それに学校の児童たちも絡んでいる。

 外部の人たちが、わざわざ子どもの体育祭を見学しに行く必要はなんだろうか。一応だけど魔法を使うど派手な感じだから、魔法を使わない一般の人なら物珍しさに見に来るのはおかしいことではない。だけど、それだとこちらがアピールする必要がないな。まさか公共施設で、一般の人が勝敗の賭け事をしている訳ではないだろうし。

「ふふっ、随分悩んでいるな」
「そう言われましても、俺ってこういう頭を使うのは苦手
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ