第五章 StrikerS編
第百三十四話 『機動六課の休日』
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
い。
「レン…?」
それで思わず振り向くと、レンはなにやら真剣な表情で、
「ラン姉さん、逃げちゃいけないような気がするんだ…」
「で、でもなにかおかしいよ、この子…」
「シホさんに教えてもらったんだ。
困っている子がいたら親身になって接してあげなさいって…それが女の子ならなおさらだって」
「うっ…」
いつも弱気なレンの癖になぜかいつもと迫力が違う。
そんな顔されちゃ私が悪者みたいじゃない…。
「あ〜、もうわかったわよ! あんたの好きにしなさい! でも私もついていくからね!?」
「うん…ありがとう、ラン姉さん」
それでレンは笑顔を浮かべてトレディという女の子に話しかける。
「君は、トレディって名前なんだよね?」
「………はい」
「どうして僕の事が気になるの…?」
「………わかりません。
ですが、先程も述べましたようにレンさんを見た途端に胸が締め付けられるような、そんな変な気分にさせられたのです…」
「そっか。うーん…僕もわからないなぁ…」
「………そうですか」
それでレンは「あはは…」と笑い、トレディは無表情のままシュンと落ち込む仕草を見せる。
不思議な子ね…。
感情の色があまり見えないからどこか機械的だけど、でもしっかりと自己出張をしている。
でも、私はレンのように鈍感じゃないからこの子の思いとやらの正体はなんなのかはなんとなく理解できるかも。
それで思い切って言ってみることにする。
「…それってさ、恋なんじゃない?」
「………恋?………恋とは、一体なんなのですか?」
「え? そんな事も知らないの…?」
「………申し訳ございません」
またシュンとなった。
っていうか恋も知らないとかどこの箱入り娘なの、この子?
それで仕方がなく私はトレディに恋についてレクチャーしてやった。
レン…? あの子はトレディの仕草に見とれていたらしくて話は聞いていなかったみたいだから放っておいた。
「あのね、トレディさん」
「………はい」
「恋っていうのはね?」
それから私はトレディに、恋とは人のことを好きになるや、好きな相手を自分のものにしたいと思う愛情などとかを教えてやった。
「………自分のものにしたいという想い、ですか」
そこで初めてトレディの表情に感情の波が見えた気がした。
「………承知いたしました。ご教授感謝いたします、ランさん」
「いや、この程度なら感謝なんて…」
「………レンさん」
「は、はい…!」
「………いつか、あなたを私のものにします。
それまで、待っていてください。
それではまたどこかで…」
聞きようによっては物騒な事を言うだけ言うと、トレディは私達から離れていき人ごみの中に消えていってしまった。
「ふ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ