暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
30話:深まる謎
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[例えばの話だが……過去、闇の書関連の事件に家族が絡んでいる、とか…]
ああいうお固い奴はだいたいそうだと決まってる。
リンディさんは念話越しにため息をつく。
[そう、ね……そこまで言われちゃ仕方ない、のかな。いいわ、話しましょ]
そう前置きをしてから、リンディさんは話し始めた。
内容を簡単に言うと、前回―――十一年前の闇の書事件でクロノの父親、クライド・ハラオウンが亡くなっている、とのことだ。
[局の方も、クロノを外す考えがあったんだけど……クロノは断ったわ]
[そうか…]
親の敵討ち、てのはアイツの柄じゃないから、そういう感じじゃないだろう。
それらを抱え込んで、ああいう表情になるのか。
[アイツもアイツで、色々あるんだな…]
[まぁ、そうかもしれないわね…]
アイツなりのケジメ、みたいなものか。
[ちょっと、言いにくいんだけど…いいかしら?]
[ん?]
そういうリンディさんの声色が、どこか怯えたようなもの変わった。
[クロノと仲良くしてあげてね。あの子、他人に対して強く出るところがあるから…]
[なんだ、そんなことか]
なんか雰囲気変わったから、何かフラグ的なものを立ててくるかと思ってたら…
俺の言葉を聞いたリンディさんは、疑問の声を小さく漏らす。
[仲良くも何も、俺はもう友人の一人として見てるつもりなんだけどな]
[あら、そうなの?]
何が可笑しかったのか、クスクスと笑うリンディさん。
[それじゃあ、これからもそんな感じで]
[あぁ、うまくやっていくさ]
心の中で笑みを浮べながらリンディさんに返す。
念話を切り意識を戻すと、なのはとユーノが何やら携帯の画面を見ている。
[どったの?]
[あ、すずかちゃんから。お友達がお泊まりに来てるって]
[へ〜…]
念話を繋ぎ、会話に参加する。携帯の画面の写真は、どうやらすずかが送ってきたものらしい。
俺もその画面を覗くと、すずかともう一人、懐かしい顔が映っていた。
[お、はやてじゃん]
[士君、知ってるの?]
[おう。前に図書館で会った子だよ]
[ふぅ〜ん……そうなんだ〜…]
なのはの雰囲気が変わった。その瞬間、俺の頭の中に警報が鳴り響く。
[な、なのは?なんか不機嫌になったが…?]
[べ〜つに〜……]
そう言ってそっぽを向くなのは。いや、明らかに不機嫌なんだが……
(そう言えば、最近会ってないな〜…)
思い返しながらそう考えてると、なのはがムスッとした表情でこっちを睨んできた。
[なんか気に食わない…]
[いきなり何を言うか、お前は…]
そんな雰囲気のまま、帰宅の途についた。
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