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私立アインクラッド学園
第一部 剣技
Silica's episode 1日だけの
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ら、今も続けてるんですよ」

 珪子は柔らかく微笑む。

「……そっか。だといいな……」

 キリトは珪子のを真っ直ぐに見つめると、微笑んだ。

「ありがとう、シリカ」

 キリトの言葉に、珪子は自分の顔が急激に熱くなるのを感じた。慌てて顔を逸らしてしまう。

「……どうかした?」

 キリトが首を傾げた。珪子は裏返った声で返事をする。

「ななっ、なんでもないですよ! それより、3年生は授業に行って下さい!」
「なにを今更……。依頼受注者は、ちょっとくらい授業休んでも許されるんだよ」
「いいから、行って下さい!」
「え、ええ!?」

 珪子はキリトの背中をぐいぐいと押し、3年生校舎に足を踏み入らせた。

「ど、どうしたんだよ」
「……また、会えますか?」
「……え?」

 同じ学園だけど、キリトは3年生だし、なにより中等部生でありながら依頼をもらうような、トップ剣士だ。今このまま別れたら、彼との距離はどんどん離れて、もう二度と会えないような──そんな気がした。
 しかしキリトは、微笑みながら珪子に言った。

「……なに言ってるんだよ」
「え……?」
「会いたければ、いつでも会いにくればいいよ。俺の本名は、桐ヶ谷和人。休み時間とかだったら、教室にはいると思うよ」
「……休み時間以外、行きませんよ」

 珪子の目から、一筋の雫がぽたり、落ちた。あたたかい涙だった。

 ──ピナ。あたし、初めてこんなにも誰かを想ったよ。

 ──ピナを助けてくれた、たった1日だけの、お兄ちゃんのこと。


  ☆END☆
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