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私立アインクラッド学園
第一部 剣技
Silica's episode 1日だけの
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「ピナー!! どこにいるのー!?」

 私立アインクラッド学園中等部2年の少女、綾野珪子は、声を張り上げて叫んだ。
 珪子はカスタマイズした制服の赤いスカートを揺らし、その場にしゃがみ込んだ。アインクラッドの制服は、中等部2年から色のカスタマイズか可能なのだ。

「どこ行っちゃったの、ピナ……」

 珪子は半ば今にも泣き出しそうな顔で項垂れた。
 綾野珪子は、野生のモンスターを飼い慣らし、使い魔とする者──アインクラッドでは珍しい?ビーストテイマー?だ。いつも彼女の傍らに付き添っている相棒モンスター、?フェザードリラ?ピナは、珪子が学園のアイドルであることを知らしめている。
 しかし、今朝からそのピナの姿が見あたらないのだ。

「あら、どうしたの? アイドルちゃん」

 前方から声を掛けられ、ゆっくりと顔を上げる。自分の赤い髪を指に巻いて弄んでいる女性が立っていた。
 珪子はキッと睨むと、その相手の名を口にする。

「……ロザリアさん」

 ロザリア。アインクラッド高等部3年で、珪子によく嫌がらせをしてくる女。

「中等部校舎に何の用ですか? 言っておきますけど、あたしは貴女と話していられるほど暇じゃあありませんから」

 ぷいっ、と顔をそむけ、ロザリアの反対方向へ歩き出した珪子だったが、ロザリアはまだ解放する気がないようだった。

「あらあらシリカちゃん、いつもの使い魔はどうしたの? 死んじゃった?」
「……違います。今はいない、それだけです」
「ふぅーん、使い魔にも愛想尽かされちゃったのねぇ」
「──ッ!」

 珪子は猛烈な怒りを覚えた。
 腰のタガーを抜きそうになる寸前で、ぴたりと止めた。

「……言ったはずです。貴女と話している時間なんてないし、そもそも話すこともありません!」

 珪子は無我夢中に走り出した。
 ──なんであんな、酷いことが言えるの!
 ──ピナ、一体どこに行っちゃったのよ!
 色々な感情が渦巻いて、それが雫へと形を変え、目から溢れた。──と、校舎の角を曲がるところで、なにかとぶつかった。

「きゃっ!」
「うわっ!?」

 珪子はそのまま尻餅をついた。
 顔を上げると、知らない男の姿があった。どうやら珪子は、この人とぶつかったようだ。

「大丈夫?」

 男はそう言って、珪子に手を差しのべた。中等部の制服を着ている。色は黒。胸元には、3年生の証である、金の小さなバッチが付いていた。男──と言うよりは、少年、と言うべきか。
 珪子は「すみません」と一言、少年の手を取り、立ち上がった。
 少年とバッチリ目が合う。
 少年の長めな前髪から覗く両眼はナイーブで、深い夜空のよう。線の細い顔からは、どこか少女めいた印象も受ける。

「ど、ど
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