Episode16:性格の悪い人達の集団に入ると大変
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「ハァァァァァ……」
人生で一番長いと思える溜息を思い切りつく、というか吐き出す。目の前に現れた生徒会室の扉を睨みつけ、五指をピンと伸ばしそのまま体を引き絞り、
ーーピンポーンーー
ドアホンを押してみた。
「一年B組の九十九です」
『はーい、どうぞー』
もはやお馴染みとなった生徒会長の砕け散った言葉遣い。俺は溜息をもう一度小さくついて、引き戸を開いた。
「うわ、さむ」
思わずそう声を上げてしまうほどの冷気が生徒会室から漏れ出て来た。この時季はまだクーラーは早いはずだけど、そんなことを考えながら取り敢えず頭を下げておく。
「いらっしゃい隼人くん。どうぞ、そこの席に腰掛けてね」
「あ、はい。失礼シマス」
指定された席は達也の隣の席。というか、達也と深雪さんの生徒会室でのお昼ご飯は恒例になっちゃってるみたいだね。
「…それで、なんで俺は呼ばれたんですか?」
こんな風に呼び出したんだ。なにか大事な用事があるのだろう。そう、俺はそう信じている。
信じて…
「男の子が達也くん一人だと、バランスが悪いでしょう?」
「お疲れ様でした」
瞬間的に席から立ち上がり扉へと向かう。
「ちょっ、嘘よ隼人くん!」
慌てて俺を引き留めてくる生徒会長。嘘か。嘘なんだな、信じていいんだな?
本日通算三度目の溜息をついて、俺は席に戻った。
「それで本題なんだが……隼人くんはブランシュという組織を知っているか?」
再び椅子に座った俺に投げかけられた問いは、今度は別の意味で驚かされた。
ブランシュ。俺が、前に消したあの組織の総称だ。
正直俺は、ここでシラを切るか、それとも正直に言うかで迷った。知っていると言えば、逆になぜ知っているかと更に追求されてしまうだろう。そうなれば、俺は暗殺者なのだと言わなければならなくなる。それは是非とも、少なくとも一年生の間は勘弁したい。
けど、この豪華メンツでこの話題。明らかになにか問題があったのだろう。平和な学校生活を望む俺としては、ほれは是非とも解決しておきたかった。
「名前くらいなら」
結果、俺はどっちつかずの答えを返した。まあ、ブランシュという組織の名前は特別厳重に秘匿されているわけではない。家として少し情報が流れてくるなら、知るだけなら簡単なはずだ。
相手はあの十師族筆頭・七草家の人間。九十九家が暗殺一家だということは知らなくても、百家の一つだということは既にバレているだろう。なら、下手に隠せば逆に怪しまれてしまう。
「それなら話が早いです。なら、部活勧誘週間が始まってから、いえ、正確に言えば達也くんと隼人く
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