第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第56話:次の目的地はサントハイム! でも、その前に……
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ハバリアからサントハイムへの荷物を募集し、大急ぎで船に積み込み『出発!』ってところで、リュカさんがルーラを唱えたのだ。
ルーラという魔法は、術者を行った事のある場所へ瞬間転送させる魔法なのだが……
どういう訳か荷物を積み込んだ私の船ごと、リュカさんのルーラで瞬間転送したのだ!
驚いてるのは私だけじゃない。
シンさんも、マーニャさん・ミネアさんも、仲間になり立てのライアンさんとホイミンさんも驚いている。あ、忘れてたけどアローも……
驚いてないのはウルフさんを含むご家族と、我々より長くリュカさんと旅をしてきたアリーナ姫様達だけだ。
何者なんだこの人は!? まぁ王様って事らしいけど……
しかし、コレは使えるなぁ……
少なくともリュカさんはサントハイム・ミントス・エンドール・ハバリアの4都市に行った事があるはず……
って事は、そこへの荷物を募集すれば、リュカさんのルーラで一瞬に配達する事が出来るぞ!
此処((サントハイム港))から一番近い都市はエンドール……
それでも船で向かえば1週間から10日の距離だ。
だが我々の便であれば、集荷の翌日には各港に到着する事が出来る。
通常の3倍の料金でも、急ぎで届けたい人は支払うだろう……
大儲けのチャンスですよ!
“最速トルネコ便”として大々的に売り出す好機ですよ!
「おい……今回は急いでたから僕がルーラを使ったが、他人の商売の為にはルーラは使わないからな……僕を金儲けの道具にしようなんて考えるなよ」
宣伝方法やキャッチコピーなど、頭の中で纏め上げていたのだが、低いトーンでリュカさんが予防線を引いてきた。
「そ、そんなぁ……す、少しで良いんです! 少しだけですから、船の維持費を稼ぐ事に協力して下さいよぉ〜……」
私は泣き落としをかけた。
一瞬で私の考えてる事を看破し、普段出さない様な声で脅しをかけてきたリュカさんに、泣き落としで対抗してみる。
と言うか、今の私にはそれしか方法が無いのだ!
心を読み取るかの如き所行を行うリュカさんに、対抗する方法など他に無いだろう!
「……………じゃぁ、売り上げの95%で手を打とう」
「きゅ、95%!?」
冗談では無い! それでは船の維持費どころか、水夫の給料も払えないでは無いか!
「そ、それでは赤字ですよ……勘弁して下さいリュカさん。出せても10%が精一杯です」
売り上げの4割は船の維持費、さらに3割で水夫等に給料を支払い、リュカさんには1割支払うのが関の山だ……とは言え、95%と言ってきた人だから、簡単には引き下がらないだろう。
ここから交渉の始まりだ……まぁ18%までは譲歩しても良いかな?
「……98%」
え!? 今……98%って言いましたか?
何でさっきより増えてるんですか!?
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