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行くぜ俺らはボーカロイド!
#02

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 カランカラン。

 ドアを開けた瞬間、喫茶店のドアを開けた時の鈴の音のような音が聞こえた。

 中は奥に進むほど薄暗い。

 
 「な、なぁもう出ねぇ?」

 「やだ!」
 
 「・・・」

 こうなると音原はテコでも動かない。
 長い付き合いからわかったことだ。


 「・・・音原、」

 「ん?」

 「なんか奢るから出よう」

 「マジで!」

 「うん、だから出よう」

 わかったこと。
 こいつは現金な奴だ。

 「じゃあ、この本買って!」

 「ん?なんだよそれ」

 
 タイトルは『ボカロの世界に行こう!』
 う・・・胡散臭い。

 「なんか胡散臭ぇぞ」

 「ボカロに会いたい!もしかしたらぐみりんに・・・!」

 「会えるわけないだろ」

 「何なら賭けますかー?」
 
 「良いよ。いけないに400円」
 
 「行けるに500円!」

 「お、言ったな」
 
 「ナノに二言はないぜ!」
 
 「新たな名言だな」

 価格表示は200円。

 まぁこの値段なら買ってもいいかな・・・

 レジに座っていたお婆さんに本を渡し、会計を済ませる。

  
 古本屋の前のベンチに座り、本を渡す。

 「ほれ」

 「さんきゅー」

 「じゃあページ開けよ」

 「あ、うん・・・あれ?」

 「なんだよ」

 「・・・全部のページ白紙だ」

 「ほらぁ。500円よこせよ」

 「うぅ〜」

 
 なんて会話をしていた次の瞬間。

 ぶわっと目を覆いたくなるほどのまぶしい光が・・・
 
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