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星の輝き
第9局
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「あ、帰ってからですけど、ヒカルに教えてもらいました。ここの右辺を打たれたときに、私は受けたんですけど、ここは手を抜いて先にこっちを詰めていくのが大きかったって。受けてくれれば利かしだし、手を抜けば…、」
そういいながら、中盤の石を数手並べるあかり。
 
 その指摘に、行洋と緒方は戦慄を感じた。
−…おいおい、どう見てもプロレベルの手だろうそれは。パッと見じゃ気がつかなかったな。間違いなくアキラ君にも見えてない手だ。そこだけ見ても出入りで十目は差が出る…。そこまでの腕か、進藤ヒカル…。

「アキラには二歳から碁を教えた。私とは毎朝1局打っている。すでに腕はプロ並みだ。」
 行洋はあかりの目をじっと見ながら語りかけた。
「アマの大会には出してない。アイツが子供の大会に出たら、まだ伸びる子の芽を摘むことになる。アキラは別格なのだ。」
「だからこそ、そのアキラに勝った子供がいるなどと、私には信じられなかった。」
「はぁ。」
 そんな行洋のしみじみとした口調に、目を丸くするあかり。

「…だが、私の考えすぎだったのかな、緒方くん。いや、ここまで打てる子供たちがいるとは。」
「そんなことはないですよ先生。むしろこの子達が例外でしょう。まさかここまで打てる子供たちがいるとは…。」
 
 話を聞いていたあかりはだんだん顔色が悪くなってきた。
−…あれ、私なんとなく普通にしゃべっちゃったけど、…これまずかったのかなぁ。…そもそも、こんな風に対局するのもよかったのかな…。いや、別にとめられてるわけじゃないけど、ヒカルは隠してるわけだし…。…だ、大丈夫よね?

「今度、進藤君も連れてくるといい。君たちならいつでも歓迎しよう。」
「あ、いや、その、あ、ありがとうございます、アハハハ・・・。」
 突然挙動不審になり始めたあかりの様子に、行洋と緒方は不思議そうな表情を浮かべていた。
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