ヨツンヘイム珍道中
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こちらも俺の服を掴んでカタカタ震えているいるが、こちらは興奮からくる揺れだろう
「それでこいつに乗って行くのか?」
「そうだよ。怖いの?」
「それはない」
ニヤリとリーファが笑いかけてくるがあほらしいと一蹴した
反応したのはむしろ俺の斜め前にいるクラインだ
ビクッと身体を震わせ、その後は所在なさげに辺りをキョロキョロしている
「クライン……」
「お……俺は怖くねぇぞ!!」
「まだなにも言ってないんだが……?」
「あ……」
盛大に自爆したクラインを慰めるかのようにトンキーはクラインの頭をその長い鼻でワシャワシャと撫でる
クラインは驚いて奇妙な叫び声をあげているが無視してトンキーの背中に跳び移る
「ほら、シノン」
「うん、ありがとう」
足場をしっかりと確保してからシノンに向けて手を伸ばす
シノンは微笑むと素直に俺の手を取ってきた。そして、俺の手を頼りにトンキーの背中へ登ってきた
「しまったなぁ」
「うん……」
先に一人でトンキーの背中に乗っていたために、俺にサポートしてもらえなかった二人がシノンを羨ましそうに見ていた
「はぁ……また今度な」
リーファとユウキの頭を二、三度軽くはたく
それで元気が戻った。現金なやつらめ
全員が背中に乗り込むとリーファの言葉に従って、ダンジョンの入口トンキーは羽根を羽ばたかせ、ゆっくりと離陸(?)した
のんびりとした空中遊覧をしばらくの間楽しんでいたのだが、突然トンキーが一声鳴くと様相が変化した
羽根を鋭角に畳み、急激なダイブに転じた
クライン、キリトの野太い悲鳴とアスナ、シノンの甲高い悲鳴とリーファ、ユウキの楽しそうな歓声が響き渡る
俺は喜んで危なっかしく動くユウキを支えつつ、シノンが俺の手をしっかりと握り締めてくることからくる痛みを耐えていた
トンキーは地上から大体50mほどの位置で降下をやめて再びゆっくりとした飛行に入る
「……落ちるかと思った」
「シノン、すまないが力を緩めてくれないか?」
「あ……ごめん、リン」
手に入れた力を緩めるシノン
なかなかに握力が強い
「コンバートしたばかりのシノンはともかく、アスナとキリトはいつもあれ以上の速度で飛んでるだろ?」
「いや、自分で飛んでるのは自分でコントロールできるからいいんだよ」
キリトの弁解にアスナが激しく頷いている
リーファは首を傾げているのだが
そんな会話をしていると眼下にとても信じられないような光景が広がった
巨大な人型邪神とオーソドックスな邪神狩りパーティとが協力し非人型邪神を狩っているのだ
見ている間にも人型邪神の持つ武骨な剣が非人型邪神の身体に突き刺
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