22話
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直ってしまった。
「今日はもうなしだってば。ふふ、まあいじめるのはこれぐらいにして。僕はワジ・へミスフィア。テスタメンツの頭をしている」
「ヴァルド・ヴァレスだ。サーベルバイパーの頭をやってる」
不良グループのリーダーがわざわざ名乗ってくれたので、ロイドは自分も支援課のリーダーとして名乗るのが礼儀である。
「改めて。クロスベル警察、特務支援課のロイド・バニングスだ」
課長からリーダーだと指名され皆からも認められているけれども自ら名乗るのはまだまだ力不足で憚られた。
「二人共これ以上事を構えるつもりはなそうだし、ここは任させてもいいかな?」
警察だとわかった以上、このまま介入しても解散させられないだろうし、さっきの仕返しだと攻撃されたんじゃ面倒なので穏便に状況を収拾するであろうリーダーに任せようとした。
しかし二人のリーダーはロイドの言葉を聞いて笑い始めた。
「な、何がおかしい?」
「いやあ、おめでたいなっーて思ってさ。ねえ?」
「事を構えるつもりがないだぁ?何を寝ぼけたことを言ってんだ?」
「じゃあ」
「そうだよ。この場で手を引くのは単に準備が済んでないから、準備が終わり次第徹底的にやり合うつもりだよ」
「それも今までのセコイ小競り合いじゃねえ。どちらが生き残るかを賭けたお互い本気の潰し合いだ」
両リーダーはお互いに得意気に本格的な抗争をすると言い出して、支援課は驚くしかなかった。
「殺し合いでもするつもりか?」
「そうなっても不思議じゃねえだろうな。まあどっちが血反吐を吐くかは分かりきってるけどよ?」
「ふふ、言ってなよ。まあどっちしてもお呼びじゃないってことさ。腰抜けの警察の犬。止めるつもりならまた恥掻くだけだよ。警察の新部署、不良に負けるって」
「そういうことだ。邪魔するなら潰すぞ、能無しのチワワども。オラ、行くぞお前ら!」
「こっちも引き上げるよ」
そのまま不良グループはそれぞれ旧市街の奥に消えて行った。
支援課は脅威とも思われていないようで馬鹿にするだけして完全に無視され相手にもされていなかった。
「あの様子じゃ数日中に本気の抗争になるな」
不良グループの様子はランディの一言で集約された。
「でも喧嘩の仲裁は一応達成したので課長からの任務は終わったことになりますけど、これ以上は任務外になると思いますが、どうしますか?」
ティオの言う通り任務としては達成した。だが、目の前の火種は消せても根本的な問題は燻っている。
「まだ任務は終わってないと思う。これから抗争が起きようとしているのに放置すれば警察に対する市民の信頼は回復できないだろう。支援課はそのための部署だし、だから抗争
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