彼が辿る道の先
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るほど、余裕はないわ。
使えるものは何でも使うわよ。」
話を聞いていて思ったんだが、桂花は男嫌いだ。
でも、一刀や豪鬼に対しては多少不快感を露わにするが俺ほどではない。
改めて嫌われている事が分かったから少し悲しい。
あれが駄目だったんだな、反省。
ちなみにだが、季衣はここにいない。
山賊のアジトが見つかったと報告があり、それを討伐する為に兵を率いて朝に出発している。
苑意の騒動が治まったとはいえ、賊の被害は無くならない。
他の村が自分の村のように賊に苦しめられていると感じているのか、最近季衣はがむしゃらに働き討伐に向かっている。
いくら体力があると言ってもあれではそう遠くない内に倒れてしまう。
それは華琳も分かっている筈だ。
近々、季衣には無理矢理にでも休ませるだろう。
「では、桂花。
留守の間、頼むわね。」
「私もついて行っては駄目なのですか?」
この場に集まっている桂花だが、彼女は今回の視察にはついて来ない。
なのにこの場に居るのは少しでも華琳の姿を見ておきたかったからだろう。
「一応、豪鬼達もいるけど一番信用できる部下を置いておきたいのよ。」
むっ。
それでは豪鬼達を信用していないと言う事になる。
「それって豪鬼達を信用していないのか?」
「しているけど、いつかは私の元から離れるのでしょう?
だから、私の部下を置いておく必要がある。
信頼して欲しかったら私の部下になる事ね、客将ではなく剣を預ける部下として。」
華琳は豪鬼達を信頼はしている。
もし信頼していないのなら、桂花だけを置いて行く訳がない。
豪鬼一人いれば桂花を拘束する事なんて簡単だからだ。
わざと挑発するような言い方をしたのは、からかいもあるが本当に俺達の戦力を求めているからだ。
確かに傍から見れば俺達は喉から手が出るほどの猛者達である。
ちょっとだけ緊迫した空気が流れるが、華琳がくすり、と小さく笑い。
「さぁ、行くわよ。
夜までには戻ってくる予定だから。」
そう言って踵を返し、歩き始める。
後に春蘭、秋蘭、華憐がついて行く。
今は華琳の客将として雇って貰っているが、時期に俺達も独立を視野に入れていかないといけない。
三国全土に広がる、この賊の乱。
いずれは鎮圧化され、中央の王政も一度は完全に崩れる。
俺は賊の乱に合わせて独立を考えているので、近い内にここを離れる事になるだろう。
それを華琳は分かっているから、あんな言葉を言ってきたかもしれない。
「うん?縁殿、行きますよ。」
考え事に夢中で足が止まっていたらしく、気になった星が声をかけ意識を戻す。
今は視察の事だけを考えよう。
俺の中で答えは既に出ているのだから。
街を視察していると、見覚えの
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