第三十六話 浴衣を着てその八
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「そこから面白いものを発掘するんだよ」
「それでモバゲもなのね」
「ああ、課金なんかするかよ」
そうしたアイテムは買わないというのだ。
「買ったらそれこそ向こうの思うツボだろ」
「向こうって?」
「会社のだよ」
ゲームを提供するその会社のだというのだ。
「買ってもお小遣いの範囲でだよ」
「相変わらずしっかりしてるわね」
「お金のことだからさ」
しっかりするというのだ。
「だからだよ」
「それでなのね」
「そうだよ、姉ちゃんも気をつけろよ」
「私モバゲしないから」
「今のところはだよな」
「まあそれはね」
本当に今のところは、だ。特に趣味のことはこれからどうなるかわからないからだ。
「じゃあする時は」
「注意しなよ、お金のことだからな」
絶対にだというのだ。
「ああいうのって訳のわからない企業も多いからな」
「みたいね、どうやら」
「さもないと後が怖いからな」
「何か噂のブラック企業みたいね」
琴乃は弟と話しているうちにこう思った、ブラック企業は別に雇用者を酷使するものだけではない、空き室な企業全般のことを言うのだ。
「それだと」
「実際ブラックも多いわよ」
「そうなのね」
「ああ、だから気をつけてくれよ」
「世の中色々あるのね」
ゲームの世界でもだというのだ。
「そうなのね」
「音楽の世界でもだろ」
「芸能界?」
「変な事務所もあるだろ」
「昔ヤクザ屋さんがやってた事務所もあったらしいわね」
とある国民歌手の事務所にしてもそうだった、関西に拠点を置く広域暴力団の経営する事務所だったのである。
「映画会社にしても」
「芸能人とヤクザの問題あるよな」
「そうみたいね」
「まあな、それで引退した奴な」
「ああ、あの人ね」
「俺あいつ嫌いだったからいいけれどな」
いなくなってもだというのだ。
「そういう問題ってあるよな」
「ブラックよね、それも」
「そう思うよ」
ブラックと言っても様々だ、そうしたブラックもあるというのだ。
「あいつも偉そうにしてたけど」
「そういう人だったのね」
「あんな奴にはなりたくないよ」
姉にこう強い声で言う。
「だから姉ちゃんもさ」
「そういう人とはなのね」
「付き合うなよ、それにな」
「そうした企業のゲームにもよね」
「そうだよ、気をつけろよ」
その辺りもだというのだ。
「さもないと大変なことになるからな」
「そうね、課金は怖いわね」
「滅茶苦茶怖いよ、俺の友達も気をつけてるからさ」
モバゲをするにあたってだというのだ。
「姉ちゃんも気をつけろよ」
「やっぱり私プレステか任天堂にするわ」
ここまで聞いてだ、琴乃はこう弟に答えた。
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