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CirCulation ResonanCe
第一章
記憶喪失

[2]次話
私は公園のベンチで目を覚ました

けだるい朝陽がぼくを照らしているようだ

私は何故このようなところで寝ていたのだろうか?

覚えていない

しかし、ただ一つ覚えていることがある

私は財産、役職、これから生きるために必要なもの

全てを投げ出して大事な何かを探していたのだ

その何かは当たり前のように思い出せない

昨日まではきっと覚えてたのに

あんなに見つけたかったものが

今日になってふっと僕の頭から消えたみたいだ

そう思うと私に残されたものは何もない

このままけだるさに任せて朝陽に溶けてもいいのかもしれない

僕には何も残されていないのだから

そんな冗談をまどろみながら考えているとふと一つ気づいたことがある

隣に私を見つめる少女が立っているのである

浮浪者がそんなに珍しいのだろうか?

彼女は私を熱心に見つめている

彼女の瞳を見返すとその瞳が何故か悲しげに見えた

私はそれ以上見返すことができなくなり颯爽と立ち上がり伸びをした

「君はどうしてこんなところにいるんだい」

訪ねたが返事はない

「君は変な人と話してはいけないて親に言われている口かい?」

何も答えない

ただ一点に見つめてくるだけである

なんとなく居心地が悪くなったので元から私の居場所でもないし

もしかしたら彼女の居場所を奪って機嫌を損ねたのかもしれない

ここに長居する理由も見当たらないので公園を出ようとした

すると彼女が服の裾を掴んでついてきた

私は驚くと共に質問した

「私はこれから大事な探しモノを何かまず思い出さなければいけない。
 大変だから一緒には遊んであげれないよ」

彼女はそれでも構わないと言わんばかりに裾を握り返してきた

最近の子は変わった遊びが好きなんだなぁと感心しながら公園を

謎の少女を連れて旅立つのであった





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