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星の輝き
第8局
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むっとした。
最近はヒカル相手でも五子でいい勝負をしているのだ。なのにこのおじさんは六子を置けと言う。あかりはおとなしそうに見えて、結構負けず嫌いなところがあった。ただでさえ今日はヒカルと一緒に帰れずに不機嫌だったのだ。
―負けるもんか!
 あかりは、相手が誰と気づくこともなく、決意していた。
 そんなあかりの様子を、正面に座る塔矢アキラの父、塔矢行洋は、じっと見つめていた。






 一方そのころヒカルは、母と合流して、葬儀会場に来ていた。父の会社で不幸があり、父と母が式の手伝いとして借り出されることになったのだ。

「じゃあ、ヒカル、お母さんは受付の手伝いをしているから、あなたはあっちの休憩室でおとなしくしていなさい。お弁当もあるそうだから。」
「はーい。」
―あちらのようですね、ヒカル。
 
 まだ式まで時間があるせいか、控え室もすいていた。
隅のほうで本でも読んでようかと思っていたヒカルは、適当な場所を探した。

 ヒカルは、海王受験に関してまだ決めかねていた。
何が正しいことなのかさっぱりわからなかった。あれから佐為は何も言ってこなかった。
ヒカルも、自分が決めなくてはいけないことは分かっていた。
ただ、もう少し考える時間がほしかった。

―あ、ヒカル、あそこ!
 佐為が指差したほうを見ると、棚に囲碁道具が置いてあった。
―お、こりゃ暇つぶしにちょうどいいや。本読むだけじゃツマンナイもんな。
―ヒカルっ、打ちましょ打ちましょっ!
―対局はまずいって、誰に見られるかわからないんだぜ!油断は禁物。棋譜ならべでいいだろ。
―…はぁ、残念ですけど、仕方ないですねぇ。

 図書館から借りていた棋譜の本があったので、並べてみることにした。
数手並べていたところで、声がかかった。

「へー、君、囲碁打てるんだ。」
 正面からの声に顔を上げたヒカルは、思わず驚きの声を上げてしまった。
「な!!」
 正面にいた女の子は不思議そうに首をかしげた。
「な?」
「な、なんだっ!お姉ちゃんも囲碁できるの?」
 何とか続く言葉を飲み込んだヒカルは、あわてながら答えた。
そんなヒカルの様子を不思議そうに思いながら、声をかけてきた少女を眺める佐為。
−ずいぶんとかわいらしいお嬢さんですねえ。
ヒカルよりも何歳か年上に見える、活発そうな少女だった。

「お姉ちゃんも打てるんだよー。ね、私も暇だし、1局打とうか。」
 突然の出会いに如何すればいいか何も思いつかないヒカル。
そんなヒカルが緊張しているように見えたのだろう。
ヒカルの緊張をほぐすかのように、女の子は笑顔で続けた。

「ほらほら、そんなに緊張しないで。私も今日は遠い親戚のお通夜とやらに連れてこられて退屈だったんだ。周り
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