第一章:堕とされた妖怪達
第一話:失いし記憶を求めて……
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第一話:失いし記憶を求めて……
月夜に照らされる深い竹林の中に、一つの影がゆっくりとした足取りで少しずつ前へ
進んで行くが、体調が悪いのか左右に揺れて今にも倒れそうである
「……ここ、は……どこ……だ……?」喉が乾き切った様な枯れた声で呟き、朦朧と
する意識の中で辺りを見回した。すると月明かりに照らされ、穏やかな風で揺れる溜め池を見つける
「…み……水、を……」見つけた溜め池の方を向き、乾いた喉を潤したい一心に水を求めて
歩くものの、後、数歩と言う所で足を挫いてしまいその場に倒れ込んでしまう
「……くっ……う……」倒れ込むも池に必死に手を伸ばすものの、目の前の視界が徐々に霞んでいく
「……く、そ………意識…が………」やがて、伸ばし切った腕が地面に落ち、その場でピクリとも
動かなくなってしまった……
妹紅Side
「はぁ……随分と遅くなっちゃったわね。」今日の仕事を終えたが、すっかり暗くなった
此処『迷いの竹林』を慣れた足取りで進み、自分の家へ帰宅しようとしていた
「………………あら?」微かな月明かりが暗い竹林の中を照らすと、近くに何かが
横たわっているのが見えた。何かと思い近づくと人が倒れていたのだ。少し慌てたが
傍に寄り、容体を確認しながら呼びかけた
「ちょ、ちょっと……大丈夫?」しかし返事は無い。気絶したなら返事が出来ないのは
当たり前だが、もしかすると既に息絶えているので可能性も否定できなかった
「もしもし?生きてる?」やはり返事が無い。最後の確認で顔に耳を傾けると
僅かながら呼吸音が聞こえた。どうやら生きてはいるらしい
「もぉ、仕方ないわねぇ……」仕方ないので倒れている青年の腕を自分の肩に置き、
腰に手を当ててバランスを取り自分の家まで運び込んだ
???Side
何だろう?徐々に明るく為ってくる……朝…かな?そう思い瞼を開けてみると木製の簡素な
造りの天井が見える。あれ?確か俺は……
「此処、は……」そう呟き、背を起こすと如何やら布団で寝かされた様だ。確か外に居た
はずだが、誰かが運んでくれたんだろうか?
「あ、やっと起きたんだ?」すると、俺の声が聞こえたのだろう、近くの椅子に座っていた人が
立ち上がり近づいて来る。声を聴く限り女性の様だ
「はい、まずは此れをゆっくり飲んで。勢いついて飲んじゃ駄目よ?起きたばかり
何だから」俺は渡された容器に入っている水を言われた通りにゆっくりと飲み干した。身体が一応
満足したのだろうか?少しだけ楽に為ったみたいだ
「……………………ふぅ」と、溜め息を吐くと相手の人も安堵の表情が見える
「もう大丈夫みたいね。まったく反応ないから一時は
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