暁 〜小説投稿サイト〜
行くぜ俺らはボーカロイド!
#01

[2]次話
 それはとある秋の日に起こった。

 音原と荒川は、新しい曲のレコーディングを終えての帰り道だった。


 「音原、”この世界に”の”に”の音が低かったぞ」

 「まじで?あ、そうそう、荒川も”一度きりの”の”きりの”のリズムが違ってたよ」

 「まじかよ〜もっかい取り直す?」

 「そうだね〜・・・この歌難しいしカラオケで何回か練習するか・・・」

 「そうだな・・・次いつ空いてる?」

 「えぇ〜と・・・ん?」


 ふと、音原は会話を中断し、商店街の一角を見つめる。

 
 「どうした?」

 「なぁ、あんな店あったっけ?」
 
 
 神川古本屋という看板を指さして言う。 
 

 「え?・・・そういえば見たことないな・・・」

 
 二人は決まったスタジオでレコーディングしているので、スタジオまでの道のりの店や建物は大抵の店などは把握していた。

 (意外と見えてないものって多いんだな・・・)

 荒川はそう思った。


 「荒川!あの店入ってみよう!」

 「えぇっ!?」

 「入ろ!」

 「嫌だよ行くんだったらブック●フとかでいいだろ!」

 「いいじゃん面白そう!」

 「えぇ〜〜」

 音原に引っ張られるまま、荒川は怪しげ古本屋に入っていった 

 


[2]次話


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