ブルー編
入学
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なるだろう。
「いってきまーす」
和葉の家は僕の家のすぐ隣。
迎えに行くのには時間がかからない。
インターホンを押して反応を待った。
「はーい」
元気な掛け声とともに和葉の母親が出てくる。
「おはようございます」
「おはよう、神無くん。 和葉ね、神無くんが来たら和葉の部屋に来てっていってたから」
「分かりました。 お邪魔させてもらいますね」
「どうぞ、上がって」
僕は和葉の部屋(2階に上がって突き当たりを右)を目指した。
和葉の部屋に行くのは初めてではない。
幼い頃はよく行っていたし、和葉も僕の部屋に来ていた。
部屋の前に着くと、ドアをノックする。
「神無だけど」
「神無? 入っていいよ」
「おじゃましま……」
僕はちゃんとノックしたし、名前もいった。
だから、目の前に下着姿の和葉の姿が映ったのは不可抗力のはずだ!
大きく実った果実と、小ぶりな桃を隠す黒い下着。
シミひつつない肌。
くびれた腰。
美しい脚。
それらを確認した僕は素早く
「……した」
バタンと扉を閉めた。
この間1秒未満。
和葉からすれば扉を開けられたと思ったらすぐに閉まった。
そんなところだろう。
制服に着替えた和葉が部屋から出てきたのは僕が扉を開閉した約30秒後。
「なんで着替えてるのに入っていいなんて言ったんだよ?」
「神無がどんな反応するか知りたかったから」
たったそれだけのために自分の着替えている途中に僕を部屋に入れたのか?
わけがわからない。
なんだか頭が痛くなってきた。
僕だって健全な男だ。
和葉の着替えシーンが興味あるかないかで答えればあるに決まっている。
性欲処理だってしたことがないと言ってしまえば嘘になってしまう。
でも、年頃の男に着替え姿を見せるというのはどうかと思う。
悪く言ってしまえばビッチなんじゃないかと疑ってしまう。
あまりうるさく言うと遅刻してしまうかもしれないので短く
「着替えてる途中で僕を部屋に入れないでくれ。 わかった?」
「わかった」
この発言がまた別の問題につながるのはまだ先の話。
和葉の家をでた僕たちは学校に向かって歩いていた。
このまま行けば予鈴の10分前には学校に到着するだろう。
僕たち以外にも学校へと向かう生徒たちの姿が見受けられる。
その生徒たちは僕の隣を歩く和葉を見て、逃げるように走り出した。
生徒たちが見たのは和葉本人ではなく、和葉が制服に着けている黒いバッチの方だろう。
ブラックと呼ばれる世界中を探してもたった数人しかいない能力者たち。
能力のランクで最上位を示すバッジだ。
そして僕のブルーは、能力のランクが最下位。
武術の達人がどうにかあしらえると言われるブルー。
先進国の軍隊と互角以上に戦えると
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