濁り銀
覚銀
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か?死神さん。」
「おまえは……!」
エリザの後ろに立ち死神を見据える。彼の顔には明確な怒りが見える。
「待ってください、カズヤ様!彼女は敵ではありません!」
「エリザ、退いてくれ。」
「いいえ、退きません。どうか彼女を……。」
「あいつはエリザたちを殺そうとしたんだぞ!」
「彼女は改心しました!あたくしたちを殺そうとしたことを。」
「だが、あいつは白光教会の人間なんだ。人間至上主義を掲げる危険な組織だ。ハーフエルフのエリザが擁護する必要はない。」
「しかし……。」
「もういいのです。エリザ様。」
エリザを脇に追いやって彼女の前に出て死神の前で頭(こうべ)を垂れる。
「ワタシは断罪されるべき者。幾千の命を刈り取りました。」
「だめです!シルバさん!」
「罪は償う必要があります。」
教主様のお言葉が真実ならワタシはすでに捨てられたも同然。私の代わりなどごまんといる。
「どうぞ、斬るなり犯すなりしてください。」
「シルバさん!カズヤ様、どうか彼女のお許しください!彼女は罪を強いられていたのです!」
今更教会に帰ったところで折半されるだけ。ならばここで死ぬのも一興。
しかしいつまでたっても命が刈り取られた感触がしない。
「……無抵抗の女性を斬る趣味も犯す趣味もない。消えろ。」
「はい。では。」
何もしないのか?この男は、何もしないのか。そうか。
ならばお望み通り消えてやる。
また会おう、死神カズヤ。
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