暁 〜小説投稿サイト〜
もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
剣だって偶には世界を両断したいんです。その6
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ら。中身がアラサーですから。
「ねぇ苗ちゃん」
「んー?何かなー?」
「もしも苗ちゃんが・・・何かこう、魔法みたいな力を手に入れたら、どう使う?」
突然何を言い出すのかとも思ったが、そういえば君は魔砲少女でしたね。いろいろ悩みもあるからついつい私に聞いちゃったわけですか?うーんそうだなー・・・人生の先輩として貴方に贈る言葉は・・・
「邪魔な地上のダニどもを全て焼き払い、唯一絶対の神としてこの地上世界に降臨するとか?」
「野心大きい!?」
「あっはっはっはっはっ・・・まぁさすがに冗談だよ」
「冗談じゃなかったら刺し違えても苗ちゃんを止めなきゃいけない所だよ・・・」
「言うねぇ。まぁ、あれかなぁ」
実体験を込めて言わせてもらうと、そんな力にゃ裏がある。例えば強すぎとか暴発とか寝ぼけて発動とか!!・・・あれ、前半はともかく後半私のうっかりのせい?
「その力、思ってるほど便利な力じゃないんじゃないかな?だから私なら最後の最後まで取っておいて、それでも使えないなら捨てちゃうと思うよ」
四宝剣を抜刀するのは最後の手段なり。だって使い方間違えたら大切なものをいろいろ両断しちゃいそうじゃん。ちなみに私が一番斬りたくないのは自分の良識と常識です。投げ捨てたら発想が世紀末まっしぐらになりそうだもん。
なのはちゃんはその言葉に静かに頷き、「そっか」と短い一言を発したのち、再び読書感想文に戻っていった。
・・・何か思うところがあったのか、それとも私が一人で滑っただけだったりして。・・・滑ったんだとしたら何だか心がもやもやするのでイヤガラセがてらに教えてあげよう。
「・・・2行前のところ、脱字してるよ?」
「うにゃー!?かーきーなーおーしー・・・」
「あははっ。じゃあ私別の本探してくるねー」
取りあえずそれだけ伝えて、私は別の本を探しに行くことにしたのであった。まる。
なお、こういうミスをした場合その文の近くで言葉を換えれば1文字縮められる部分を探すと書き直しが楽である。
「思ってるほど便利な力じゃない、かぁ・・・」
その言葉が耳に残った。そして最後まで取っておくという事は、多分苗ちゃんはあの剣をあんまり使いたくないのかな?
(でもそれなら何で学校で剣を振ったのかが分かんなくなっちゃうなぁ・・・)
分かったようで結局分からなかった。言動もよくわからないし本当に魔導士なのかもわからない。でもひとつ分かったことがある。それは・・・
「何だか正体が分かったところで私たちの関係は変わらないような気がしてきた・・・」
苗ちゃんは多分そういう子だ。だからどんな道を行ってもきっと同じ出口、すなわちいつもの苗ちゃんが待ってるような気がする。ならそれは何も変わってないのと同じではないか。
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