暁 〜小説投稿サイト〜
もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
剣だって偶には世界を両断したいんです。その6
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万物流転、諸行無常。この世に動かぬモノなどありはせず、変わらぬものも又ありはしない。世界は常に動き、変化し、時代と共にその在り方を変容させる。
・・・本当にそうだろうか。
例えば伝統というものは無くなることもあるが世代を超えて継承されるし、子は親に似る。シーラカンスだのカブトガニだのは相も変わらず大昔と同じ姿をしているし、人間が花を美しいと感じることにも今と昔で差異は無いはずだ。

変わらないものだってある。例えばそう――人が本を読んで知識を得ることとか。

「という訳なんだけどなのはちゃん、君の意見を聞こう!」
「図書館で大声出すのがマナー違反なのは昔から変わらないと思うよ?」
「・・・だよねー」

ちっ、うっせーよ。反省してまーす。なんて口が裂けても言えない正当な理論だったため自重するしつつ自嘲する。や、前世ではラノベと漫画ばっかり読んでたもので、なんか真面目に本読んでる自分が滑稽に見えてきたんですよ。

「それにしても・・・いつ読んでも源氏物語の面白さが分かんないなぁ。(さか)った馬鹿が馬鹿なことと変態行為してるだけじゃん?何が楽しいの?ばかなの?しぬの?あ、馬鹿だしもう死んでるか」
「何でそこまで辛辣!?というかそうなら何で読書感想文の本それにしたの!?」
「そりゃあ今の担任が光源氏大好きだからだよ。担任の好きなものはボロクソに貶しておくのが学生としてのマナーってものでしょ?」
「発想がゲスいよ苗ちゃん・・・」

どう見てもひねくれ者です本当にありが(ry・・・とまぁ今私は図書館で本を読みつつ感想文書いてます。あまり漢字使いすぎると「お前本当に小学生か?」と聞かれそうだけど面倒だからこのまんまでいいや。

しかしまさかなのはちゃんが玄関で待ち伏せしてるとは思わなかったんだ。確かに昨日メールで「明日の予定なぁに?」って聞かれたけど・・・だって今日日曜日だよ?友達と遊ぶなり家で過ごすなりいろいろやりたいことあったろうに何で一直線に私のもとに来てんの?・・・ハッ!?まさかキマシ!?キマシなのか!?だとしたら私はどうすればいいんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ

「ぁぁぁぁぁ・・・・・・あ。原稿用紙足りなくなっちった。おやっさーん一枚追加で」
「はいはいもう突っ込まないよ?どれだけ光源氏の悪口書けば気が済むの苗ちゃん・・・」
「いや、今空蝉の気高さに話が移ったところ」
「・・・先生の困った顔が目に浮かぶなー」

そんなこんなで400字詰め原稿用紙4枚を消費したところで私の筆はようやく止まった。なのはちゃんはそんな私に深い深いため息とともに「何か納得いかないの」と呟いた。何故なら私はお喋りしながらも感想書きまくっていたのに対し、なのはちゃんのそれはあまり状況が芳しくなかったからだ。そりゃねーこちとらズルしてますか
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