明星の英雄
千年杉から
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「気にしない気にしない。」
二人は再び歩を進めた。大衆酒場のクエスト出口を出て十分、ようやくソルディム山地についた。
「さって、支給品の割合どうする?」
「五対五でいいだろ。」
「オッケー。」
と、アルフレッドは支給品ボックスから応急薬を六個、携帯食料を四つ、
携帯砥石を二つ取り出した。ついでに取った地図でソルディム山地の地形を確認した。
このソルディム山地は土に恵まれた土地である。
ふもとには珍しい草が生い茂り、山頂には古龍観測局が立てた旗がある。
ここまで聞いているとフラヒヤ山脈とほぼ一緒だが、ここからが異なる。
まず、フラヒヤ山脈のふもとには大きな湖が広がっているが、このソルディム山地にはない。
ソルディム山地の雪解け水は三合目にある特殊な地質の土に吸収されてしまう。
それと、フラヒヤ山脈では凡用性のある鉱石が採れるが、ソルディム山地ではマスティア鉱石や
ホークスロー鉱石など、珍しい種類の鉱石が採れる。
これがエイン村を栄えさせた理由の一つ。
なぜこのような特徴があるかは地質研究学者が調査中だが、依然分かっていない。
「まず、ふもとの広いエリアへ行って草食動物に実験だね。」
と、アルフレッドが歩き出した。
「じゃあ、オレはノフォスを討伐してくるよ。」
ダイラスは別方向へ歩き出した。
「おっいたいた。あれは…、バノトプスか。」
草食竜バノトプスとは、ソルディム山地のふもとにいる堅い甲殻に覆われたモンスターである。
バノトプスは様々なものに用いられている。骨は武器に、皮は防具のつなぎや衣服に
甲殻は防具本体に、肉は栄養価が高く健康食として食べられている。
「よーし、ちょっと失礼するよ。」
アルフレッドはポーチから薬包紙に包まれた試作品を取り出した。
「おっと、忘れるとこだった。マスクマスク。」
そして、
「それっ。」
と、薬包紙を思いっきり広げた。衝撃で薬包紙は破れたが、粉塵は風に乗って拡散した。
すると、バノトプスはゆっくり顔をあげ、活動が活発になった。
「成功だ!やったぁ!」
「…何かすげぇ数のノフォスがいるなぁ。」
エリア五、山でいう二合目辺りの場所で無機質な岩に囲まれた閉鎖空間である。
天頂部に大きい穴が開いており、飛竜種が稀に巣を作ったりする。
「とりあえず降りて速効で力を溜めてぶん回せばいいかな。」
ダイラスは背中に担いだハンマー、マーシレスガンハンマーを持って飛び降りた。
このハンマーはエイン村反映の要でもあったホークスロー鉱石を使った無属性の鉄鎚。
しかし威力はハンマー相応、振り応えのある得物だ。
「ぐぅぅぅぅ…」
ハンマーを持つ手に力を込める。
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