崑崙の章
第13話 「その前に……少し試させてもらいましょうか」
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単だ。アンタは、北郷一刀をよく知っていて、しかもどこかバカにしている口調で一刀を語る。つまり何らかの恨みを持っている」
「………………」
「だが、わからないのは何故俺に接触してきたか、だ。一刀に恨みがあるなら、そのコピーである俺にも恨みがあるのだろうに」
「恨み? 貴方に? まさか」
そう言ってフッと笑う于吉。
しかし突然、怒りをあらわにして立ち上がった。
「私が北郷一刀を嫌いな理由は、やつが下半身で生きている存在だからですよ。彼を基準に生まれた世界は、他次元からの干渉がない限りは、基本的に彼の下半身で物事が解決するようになっていますからね」
「はあ!?」
突然のぶっちゃけ話に、盾二がすっとんきょうな声を上げる。
「貴方は知らないかもしれませんが、北郷一刀という男はとんでもないジゴロで知り合った女を悉く抱いては、基本的に受身な事を良いことに女を戦わせて自分はハーレムの王様気取り! そんな男のくせに男色には一切目を向けない、認めない! そういう男なのですよ、やつは!」
「お、おおおおおいおいおいおいおい! ちょっとまてやぁ!?」
力強く拳を戦慄かせて叫ぶ于吉に、思わず叫ぶ盾二。
盾二にとっては、まさに寝耳に水だった。
「あの童貞の一刀が!? そんなばかな! やつは鈍感を通り越して天然記念物だぞ!?」
「それはまだ童貞という封印がされているだけです! やつが一度それを破れば、陣営全ての女性を食い散らかしても止まりません! この世界の全てで、彼がいったい何人の女性を抱いたかご存知ですか!?」
「いやいやいやいやいや! ちょっとまって、待てってばあ!」
于吉の顔を近づけて力説する剣幕に、盾二が悲鳴をあげる。
ほとんど口が重なりそうな距離に、盾二が椅子ごと飛びのいた。
「ちっ……」
「今、舌打ちした!? 狙ってた!?」
「冗談ですよ……でも、言っていることは本当ですよ? しかもほとんどがこの世界の主要人物……貴方のよく知る劉備や関羽、孔明や鳳統などもそれに含まれますね」
「ぐはっ……」
喀血するように突っ伏す盾二。
「そ、そそそそそそそそ、それは、お、俺の知る一刀でなく、あくまで同存在の一刀であって、おおおおおおおおお、俺でもないわけで……」
「ええ、そうですね。貴方は違います」
「は?」
唐突に告げられた言葉に顔を上げる盾二。
于吉は、先程の興奮はどこへやらといった様子で椅子に座り、自ら煎れた茶を啜った。
「貴方は北郷一刀から生まれた存在ですが、貴方は彼と違って下半身が機能していませんから」
ガン!
再度テーブルへと頭を打ち付ける盾二。
だがすぐに、がばっと顔をあげた。
「俺はEDじゃねぇ!」
「あ
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