崑崙の章
第13話 「その前に……少し試させてもらいましょうか」
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そう言って荷物を載せた馬に跨る盾二様。
そして手を振りながら馬を奔らせます。
「……………………っ!」
すると、私の足にしがみついていた璃々が、突然走り出して手を振ります。
「おにいぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん! ぜったい、ぜったい、また遭おうねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ! うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!」
泣きながら叫び、それでも無理に作った笑顔で手を振る璃々。
その姿に、盾二様は――
「ああ! 必ずまた遭おう!」
―― other side 巴郡 ――
――時間は少し遡る。
「于吉……と言ったな。お前も仙人か?」
盾二が警戒したままそう尋ねる。
幻影のように現れた于吉と名乗る青年は、その飄々とした表情を崩さずに微笑んだ。
「ええ……お察しの通りです。さっきも言いましたが、管理者の一人ですよ」
「………………」
盾二は構えを崩さず、黙考する。
目の前にいる男が敵なのか、味方なのか……その判断に迷っている。
一分ほどの後、盾二がようやく口を開く。
「……管理者とは、なんだ?」
「ほう……そうきますか。てっきり私と貂蝉あたりの関係を聞いてくると思いましたが」
そう嘯く于吉に、盾二は口元を引き上げてニヤリと笑う。
「やはり貂蝉と繋がりがあるのか……」
「おや……ハハハ。私としたことが、自ら暴露してしまいました。意外に交渉がお上手ですね」
「この程度、児戯にもならんさ。それで?」
「ん? ああ……管理者ですか……そうですねぇ。ある程度は貂蝉から聞いているんじゃないですか?」
「外史とかいう世界を管理する存在、というのは聞いた。正しく流れる正史から枝分かれしたパラレルワールド。それが破綻せぬように管理、運営するもの。多次元世界の守護者……と認識している」
「まあ、概ねその通りですね」
于吉の肯定の言葉に、眼を細める盾二。
「ならば管理者とは? 破綻しないように管理するその内容はなんだ? この世界は管理しないと崩壊するような代物だと言うことか?」
「……ほう。そこに目がいきますか。なるほど、面白いですね」
于吉は、心底感嘆したように呟く。
「はぐらかすなよ。それとも言えないと?」
「いいえ? 別に答えられないものではないですよ。この世界の理を知っている者ならば、という但し書きがありますが」
「ふん……で?」
「で、とは?」
「………………(ニヤリ)」
盾二が、笑顔で手の中にサイコエネルギーを収縮させていく。
「ああ、待ってください、待ってください。冗談ですよ……結構短気ですねぇ」
于吉が、わざとらしく慌てたような素振りをす
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