崑崙の章
第13話 「その前に……少し試させてもらいましょうか」
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の用事は済んだのですが、貴方は私に……商会に接触した理由はなんですか?」
「あ、忘れていた……この街の事だよ。商人が幅を利かせすぎだろう? 扱っている商品も問題だしな」
「ふむ……問題とは?」
「歴史にない食料や工芸品が数多くある。歴史の保守派であるアンタがなんでこんなのを許しているんだ?」
「許すというか……これはテストでして」
「テスト?」
盾二が訝しげに眉を寄せる。
「ええ。範囲を限定して、未来の産物がこの世界でどのように評価されるか、流通されるか……技術を意図的に取捨選択することで、どういう風に扱うか。そういったテストケースとして選ばれたのがここなのですよ」
「だから時代もまちまちで、しかも一部だけオーバーテクノロジーがあるってことか……もしかして、厳顔の武器も?」
「あれも私が技術を意図的に流して作らせたものですね。この時代の職人に出来るかどうかを試させました」
「あの射出機構が気を使って撃ち出すのは、仙人の技術に由来しているという事か……」
厳顔の豪天砲は、ガンブレードと言うべき武器である。
ガンブレードとは、銃剣の主目的を逆にした武器で架空のものだが、豪天砲は銃剣の剣の部分を銃の土台としているところに特徴がある。
また、銃は弾丸を発射するのではなく、杭打ちを撃ち出す設計になっており、その炸薬の代わりに気を代用して撃ち出すとのこと。
およそ個人の気の絶対量が、撃ち出せる弾丸の量となる。
あくまで実験武器の様相が強いとのことだった。
「そういうものを流通させる為に商人の力を強める必要があったと……?」
「そういうことです。ここは私が実験用に作った街なのですよ」
つまりは仙人である于吉が影で糸を引いていたという事だ。
「よくそんなことが出来たな。資金とかどうしたんだ?」
「それは蛇の道……といいたいところですが、貴方もご存知でしょう? それを求めてコンカへ行こうというのですから」
「!? お前! まさか発掘現場の賢者の石を使ったのか!?」
盾二が血相を変える。
そう。
盾二の目的。
それはミニヤコンカの山奥にある賢者の石の発掘現場。
盾二の世界で、世界最大規模といわれた賢者の石の発掘された場所だった。
「なんてこった……俺の計画が……」
そう言って盾二は、頭を抱えた。
盾二の計画。
その全ては、大陸南西にある世界最高峰ともいわれる霊山であるコンカ山。
その山奥にある賢者の石の鉱脈だった。
「やはりそうでしたか……貴方が中原や徐州に根拠を据えるのではなく、荊州や益州などの南を望んだ理由は……」
「……それだけじゃないけどな。元々劉備は蜀を手に入れる定めにある。なら早いほうがいいという理由もあっ
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