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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百五十八話 これは戦争だ
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「地球では地球教団の壊滅は当然のことですが情報の収集も重要な任務となります。広域捜査局と協力して任務を遂行してください」
「はっ」
「それと地球教は軍事力が有りません。それだけにテロなどでこちらを混乱させようとします。司令部には一応広域捜査局の護衛を付けますが十分な注意が必要です、気を付けてください」
うん、これで良いかな。後は本人の運次第だろう。
「御配慮、有難うございます。司令長官閣下も身辺には十分にご注意ください」
「そうですね、気を付けましょう」
変だな、ワーレンも俺をじっと見ている。俺ってそんなに注意力散漫に見えるのかな。
帝国暦 489年 6月 7日 オーディン 宇宙艦隊司令部 トーマ・フォン・シュトックハウゼン
「妙なものが出てきましたな、副司令長官」
「全くだ、地球とは一体どうなっているのか……。卿は地球についてどの程度の事を知っているかね?」
困惑したような表情でメルカッツ副司令長官が問い掛けてきた。
「人類発祥の地、そんなところですな。最近妙な宗教が流行っているとは思っていましたが……」
「私も似たようなものだな」
私も首を傾げているがメルカッツ副司令長官も首を傾げている。副司令長官室で老人二人が首を傾げているのだ。全くもって妙なものが飛び出してきた。
「この騒ぎ、何時頃まで続くと思われますか?」
「さて、二ヶ月か三ヶ月、そんなところでは無いかな。地球討伐もワーレン提督で決まっている、それほど長引くとは思わんが……。何か有るのかな、シュトックハウゼン提督」
「実はガイエスブルク要塞ですが……」
「?」
「あれにワープと通常航行用のエンジンを取り付けるというのです。シャフト技術大将が行うとの事ですが小官がその運用責任者を命じられました。イゼルローン要塞攻略に使用するとの事ですが……」
私の言葉に副司令長官が何度か頷いた。心当たりが有るようだ。
「なるほど、あれか」
「ご存知ですか?」
メルカッツ副司令長官が頷いた。
「以前からその話は有った。ガイエスブルク要塞をイゼルローン回廊に持って行く、或いはフェザーン回廊に持って行くという話だ。だがそれは軍事作戦ではなく反乱軍、フェザーンに対する謀略の一環としてだった。だから我々も詳しくは知らない。話だけかと思っていたが実際に行うとは……」
なるほど、謀略の一環か……。
「司令長官から聞いた時には混乱しましたがイゼルローン回廊内に根拠地を作ろうという事でしょうかな?」
「かもしれん、長期戦が可能となれば反乱軍に対する圧力は決して小さくは無い」
「なるほど」
要塞に有る損傷艦の修理機能、負傷者の収容能力、補給、通信能力か……。確かに過小評価は出来ない。頷いているとメルカッツ副司令長官が微か
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