第10話「中立」
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少しばかりの沈黙。
――生々しい話をしすぎたか?
タケルが反省しかけたとき、ネギが恐る恐る口を開いた。
「……タケルさんも」
「む?」
ほんの少し逡巡して見せて、それでもはっきりと言う。
「タケルさんも、そうやって強くなったんですね」
「……ああ」
完全に方向をそらした話だったが、どうやらネギとアスナの心に響いたらしく、ネギがホッと少しだけ微笑んだ。アスナはなぜか「それがいい男って奴ですね」ブツブツ言いながらもウンウンと頷いている。
「わかりました。まだ凄く恐いけど、立ち向かえるか分からないけど……タケルさんに助けてもらうのはちゃんと諦めて、頑張ってみます!」
言い回しに、ネギの未練を感じたのは気のせいだろうか。
――いや、うん。きっと気のせいだ。
だが、先程はなぜか納得していたはずのアスナが「で、でも」と、口を挟む。
「ネギはまだ10歳ですよ?」
「男に歳は関係ない、戦場に立てばその瞬間から立派な成人だ」
「でも……」
それでも文句を言おうとして、だがなぜか急にフと止まった。
「……?」
「……うん。そう、ですか」
首を傾げる猛に対し、アスナはなんだか複雑そうな顔をして、それでも簡単に引き下がった。
「それじゃタケルさん、ありがとうございました。また明日」
「先輩、今日は夜遅くにすいませんでした。おやすみなさい」
「ああ、おやすみ。また明日」
ネギがお礼をいい、アスナが非常識な時間に訪れことをわびる。凸凹だが確かにいいコンビだ。ふと思いつきで彼等が帰ってしまう前に言う。
「――ネギ」
「あ、はい?」
「神楽坂さんに魔法使いのパートナーになってもらえばいいんじゃないか?」
――そうすれば、絡操さんにも対抗できていいんじゃないか?
タケルとしては建設的なことを言っただけだったのだろう。
だが。
「「な!?」」
なぜか二人して顔を真っ赤にした。
――俺なんか変なこと言ったか?
「失礼します!」
アスナが怒ったように扉を閉めて帰っていった。いや、顔が赤かったからどちらかといえば照れ隠しだろうか。だが、とにかく――
「……なぜだ?」
魔法使いでいうパートナーは大体結婚するという事実を知っているはずもないタケルには分かるはずもないことだった。
二人して自分達の寮に戻る。タケルの最後の言葉で少し気まずくなったのか、会話は少ない。アスナがそんな空気を変えるべく、ふと思い出したかのようにタケルのことを口にした。
「……にしても、タケル先輩さ」
「はい?」
タケルの話題のせいか、ネギが予想以上に素早く反応した。
「
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