第9話「前夜」
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かも、竜種を捕まえた時はエヴェンジェリンが丁度、遠視を怠った時だ。これでは実際にどうやって倒したのかがわからない。
遠視を終え、顔をしかめていたエヴェンジェリンだったが、すぐに笑い出した。
「……くく」
自然とにやける頬がだらしなく緩む。
「どうやら真祖をたおしたのもあながち嘘ではなさそうだ。あいつ自身が良い酒の肴だな、これは」
ニヤニヤと笑みを浮かべるエヴェンジェリン。
それを傍から見つめる茶々丸が呟いた。
「マスター、いつになく楽しそうで――」
――猛先生も大変になりそうですね。
茶々丸は、笑うマスターを見つめて、フと思ったのだった。
翌日、目覚めたタケルが風呂に入ろうと服を脱ぎ、鏡を見かけたとき、彼は唖然とした。昨日の戦闘で負った傷がくっきりと残っていたのだ。左腕の肘にはまるで、接合でもしたかのような傷痕が残り、腹部には確かに、肉が抉られた痕が。それ以外にも傷痕がいたるところに残っている。
「……傷は残るのか」
肌を大切する女性に生まれなくなくてよかった、と呟き、もはや驚くことすらなくなったタケルだった。
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