つぐない
とあるβテスター、恩人になる
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撃スキルを発動させれば、毎回四本ずつのナイフが自動装填されるというわけだ。
よって、その点については心配ない。
ところが。
僕が一度の投擲で使うナイフの本数は四本。単純計算でも、他の人の四倍の量を消費するということだ。
四連撃スキル《フォース・テンペスト》を発動させたとして、通常は四本の消費で済むのに対し、僕の場合は十六本ものストックを放出することとなる。
ストレージ容量のほとんどを投擲武器のストックに回しているとはいえ、高威力のソードスキルを使用すればするほど、僕が戦える時間は短くなっていく。
そうして、ひとたび武器のストックが尽きてしまえば───あの時のように、何もできずにお荷物になってしまう。
一応、第1層の頃に短剣スキルも上げてはいたけれど……到底、実用的とは思えない。
まあ、そんなわけで。
目下の悩みとなっているこの件を、リリアの件に対する報酬代わりという名目でアルゴに相談してみたところ、『だったらチャクラムを使えばいいじゃないカ』との一言で返されてしまった。
円月輪《チャクラム》。
投剣からの派生に位置する武器カテゴリで、リング状に形成された刃を投擲することによって敵にダメージを与える武器。
この武器の最大の特徴は、『投げても手許に戻ってくる』ということだ。攻撃に使えるブーメランのようなものだと思ってくれればいい。
おまけに、装備している間は専用のソードスキルを発動させることもできたりと、消耗を気にせず遠距離攻撃を行いたいプレイヤーにはうってつけの武器だといえる。
僕も普段はチャクラムを使い、有事の際だけナイフを使うよう調整すれば───ある程度は、戦闘可能な時間を延長させることができるようになるだろう。
……と、言うだけなら簡単なのだけれど。
実際にチャクラムを使って戦えるようになるまでは、いくらかクリアしなければならない問題がある。
一つは、武器の流通量が極端に少ないこと。
SAOではチャクラムそのものがレアアイテム扱いであるため、基本的にNPC武具店での店売りはされていない。
そのくせ、ドロップするモンスターの数は非常に少なく、鍛冶スキルを上げているプレイヤーに頼んで作ってもらおうにも、チャクラムをメイン武器として使っているプレイヤーがほとんどいないため、作成スキルを持っている鍛冶師自体がほとんどいない。
したがって、攻略序盤の頃よりは多少ましになったとはいえ、前線で実用できる性能の武器を手に入れること自体、他の武器カテゴリに比べて難しくなっている。
そして、二つ目───実を言うと、僕が今までチャクラムを使っていなかったのは、こちらの理由によるものだった。
それは、チャクラムを装備するのに《体術》スキルが必要になるという点だ。
チャクラムは通常の投擲武器とは違い、グリッ
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