キャリバー編
百二十七話 かくて少女は少年を見る
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、ちょっとリョウ兄ちゃん本気!?だって、レコンだよ!?」
リーファはかなり戸惑った声でリョウに言うが、リョウは一瞬眉を上げると、少しイラついたような調子で言った。
「アホかお前は!何時まで一年前のソイツと戦ってるつもりだ!今までの戦闘で何も気が付かなかったのか馬鹿!」
「え、え!?」
突然怒鳴られ訳が分からずリーファは慌てる。其処へ、キリトが諭すように言った。
「大丈夫だ。レコンだってこの一年ずっと同じアイツのままだった訳じゃない。今から分かるさ」
そういってニヤッと笑うと、キリトは前を見るように促す。
見ると、既に構えたドワーフと両手に一本ずつダガーを持ったレコンが睨みあうように向き合っていた。
「……っ」
そのレコンの瞳は鋭く、普段の情けない顔をした彼とは思えないほどに真剣な光を宿している。そうして……
「それじゃ……行きますっ!」
言うや否や、レコンは突進してくるドワーフたちに向けて一直線に突っ込んだ。10M以上あっ彼我の距離あっと言う間に詰めるが……
「っ!レコンっ!」
迎撃するように戦槌を振りあげていたドワーフが、レコンの接敵のタイミングに合わせてそれを振り下ろしてきた。慌てて警告を発するが、既に遅い。跳び込んでしまっては避けられない体。そう思ってリーファは飛び出そうと構えて……
──直後、レコンの姿が消えた──
「!?」
ドワーフの一撃を喰らってリメントライトと化したのではない。ドワーフがメイスを振り下ろした刹那の内に、不意にレコンの姿が掻き消えたのだ。
と、少し視界を動かすと、レコンの姿が再び視認出来た。メイス振り下ろしたドワーフの真横だ。
と、既に二本のダガーを振り切ったレコンの横で、ドワーフの体がメイスを振り下ろした状態のまま硬直すると、前のめりになってズンっ、と倒れた。
「え……!?」
驚いた声を上げたリーファの視界の先で、ドワーフは時折体をビクリ、ビクリ痙攣させながら倒れたままになっている。麻痺毒なのはすぐに分かった。と同時に、よく見るとドワーフのHPゲージがぐんぐんと減少している事にも気が付く。
成程。二本のダガーの内、片方は麻痺。もう片方はダメージ毒なのだろう。
以前からレコンが良く毒殺と言う単語を使っていた事を思い出して、リーファは内心えげつないやり方するなぁと我が友人ながら呆れ半分関心半分と言った所だ。
と、不意にリーファは、とある疑問に行きついた。毒を塗った武器で相手にその効果を一撃で発生させるためには、最低でも相手の皮膚に切っ先が触れる必要が有るのだが、アイスドワーフ達は基本的に重厚そうな鎧に身を包んでいる。あれを切り裂いたとなると、レコンはどれだけ切れ味のよい……と言うかシステム的に威力の高いダガーを使っているのだろう?と思った所で、再び気付
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