キャリバー編
百二十七話 かくて少女は少年を見る
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逆立ちから立ち上がった。リーファの居た場所にうつぶせに叩きつけられる。
「むぎゅう……んも〜……ひ、酷いよリーファちゃん……」
「うるさい!近寄んな!」
「ま、ますます酷く……」
レコンが精神的にノックアウト寸前である。
「おい!お二人さん!お楽しみのとこ悪ぃけどな!」
「楽しんでない!!」
そう言って、リーファ気が付いた。自分とレコンがいる場所、その場所と、怒鳴ったリョウの居た場所の間に、通路を完全に塞ぐ鉄の柵が降りていた。
先程の音はこれだったのかと今更になって思い当る。
「あぁ、悪い悪い。ってそれより前だ前!!」
「え……えぇ!?」
言われてリーファが振り向くと、其処に十数体のアイスドワーフと、その上位種であろう大型のゴーレムが通路状に生成される所だった。
パーティを分断する事を前提に作られたトラップだろう。格子の網目が細かいため魔法による援護は期待できない。と言うより、恐らく後ろの行使はどんな攻撃も通さないタイプの物だと思われた。
だとすると格子が解かれるには分断された側が全滅するか……
「リーファさん!そのトラップは敵性エネミーを全て撃破すれば開きます!」
と、言う条件で格子が開くはずだ。とは言え、前者の選択肢は初めから無いも同然である。ウルズからもらったメダリオンを持っているのはリーファだ。彼女が倒されるとパーティはメダリオンに表示される残り時間を確認出来ない事になり、より効率的な攻略が出来なくなってしまう。
つまり、自分とレコンの二人で突破するしかない。相方がリョウやキリトで無くレコンである事を考えると……
「(キツイ……よね)っ……!」
内心でそんな事を考えながら腰から長剣を抜いて構える。と、即座にレコンに指示を出す。
「レコン!私が押さえるから後ろから魔法で援護!」
「リーファちゃん!掻きまわして動きを止めるからとどめを刺して!」
「「えっ?」」
全く同じタイミングで全く別の指示を出した隣の人間にリーファとレコンは互いの方を見る。
「いや、えっと……あの数相手に一人で抑えるのは……辛いんじゃないかなって……だからその、武器の機動力的に僕が振りまわした方が……」
「はぁ!?アンタがそんな役目やったら、あっという間にリメントライト化するでしょう!死に戻りしてる暇何か無いんだから普通に援護に徹しなさいってば!」
「いや、その……」
「オイ其処のツンデレ!!」
「ツンデレじゃない!!」
再び飛び込んだリョウの言葉に返す刀で怒鳴ると、リョウが溜息がちに言う。
「どっちでも良い!ってかそうじゃなくて、レコンのが正論だろうが。レコンはよ前でろ!」
「え、えぇ!?」
「はいっ!」
言うが早いが、レコンは両手に一本ずつダガーを持ってリーファの前に立つ。
「ち
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