第四十六話〜パパがママ?後編〜
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〜〜と……」
知り合ったばかりの人からの思いもよらぬ賞賛に若干戸惑うライであった。その後、蒼月とパラディンのことをマリエルに頼み、ライは朝行こうとしていたもう一つの場所に足を向けた。
機動六課・食堂
いつものように早朝訓練を終えた一同は食堂に足を運ぶ。この日は偶然ではあるが、六課の主要メンバーがほぼ全員同じ時間に食堂にむかっていた。
いつもよりも人数が多い食事。それだけでもいつもとは違うのだが、食堂に入るとそこには更にいつもとは違う風景が広がっていた。
机の上には個人のお盆一つ一つに一人分の朝食のおかずが配膳され、そしてその配膳をしていたと思われる人物はお茶碗に炊いたお米をよそっていた。
「ライ君…………何してん?」
代表するようにはやてがライに質問する。振り向いたライは昨日の装いとは少し異なっていた。服は同じであるが、その上から紺色のエプロンを付け、髪は垂れ下がっていたのを後頭部に纏めるように結い上げ、そしてエプロンと同じく紺色のバンダナを付けていた。
はやての質問にライは不思議そうな表情で答える。
「何って……朝食の準備」
(((((いや、そうじゃなくて)))))
その場にいたライ以外の一同の心が一つになった瞬間であった。
「あんな……私が聞きたいんは何をしていたかでなく、何故それをしていたかなんやけど?」
「ああ、これはヴィヴィオに頼まれたんだよ」
「ヴィヴィオに?」
ライの用意した朝食が気になり、ザフィーラの背に跨って机の上を覗こうとするヴィヴィオに皆の視線が集まる。
「以前、ヴィヴィオにママって何をするのか聞かれたことがあって、その時に家族のご飯を作ったりもするって言ったんだ」
「ふむふむ」
「それで昨日、その事を覚えていたヴィヴィオに『ママになったパパはご飯を作るの?』って聞かれて、特に断る理由もなかったから『うん』って答えたんだ」
「それで、朝ごはんを作った、と?」
「うん」
「あれ?でも私聞かれた事ないよ?」
ライの説明に疑問が残ったなのはは尋ねた。一応、ヴィヴィオからママ扱いされているなのはにとってこの話は初耳であった。
「なのははいつも朝仕事をしてくれているから、代わりに食堂で働いている人が作ってくれていると説明した」
ライの簡潔な答えに納得を見せる一同。実際のところ、今のライの説明と一緒に『ご飯は作れないけど、ヴィヴィオの好きなキャラメルミルクを作ってくれるのは、なのはがママだからだよ』とフォローもしていたりする。
一同は取り敢えず食堂に来た目的である朝食を食べるために、それぞれ茶碗に盛られたご飯を貰ってから席についていく。ライもバンダナとエプロンを取り、皆と同じように席
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