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真鉄のその艦、日の本に
第九話  叛乱への反旗
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共の連中がこの帝都で何をしたと思ってるんですか?犠牲が多く出過ぎです。あなた、それは傲慢ですよ。」
「傲慢、な。そもそも俺たちの存在そのものが傲慢じゃないか。人間以上のモノを作ろうとしてな



人間に及ばない何かになっちまった。」

瀧は大太刀を抜き放つ。徳富も、スーツの上着の下から両手に脇差を抜き放った。
瀧が地面を蹴る。徳富も地面を蹴る。
二人はお互いを目指して突進し、すれ違い様に互いに斬りかかる。

ガチッ!!

金属同士がぶつかり合う音。瀧は上から刀を振り下ろしてそのまましゃがみ込む形。徳富は下から上に跳躍し切りつけようとしたまま宙に舞い、バック宙して着地した。

徳富の両手にあった脇差が、ボロボロと崩れ落ちる。まるで消し炭のように脆く、そして変色していた。


「例え重金属製の脇差でも、この刀に斬られればひとたまりもない。…今のはわざとだ。お前の脇差に狙って当てた。」


瀧がゆっくりと背後の徳富を振り返る。その表情は先ほどと変わらず、息一つ切れていない。対照的に徳富の方は冷や汗が頬をつたい、顔が上気している。今の接触に、相当神経を使ったらしい。


「刀に仕込まれた…呪禁道……」


徳富も話には聞いていた。この瀧がHソイル原液によって目覚めさせた能力は、霊能力。それを古代の呪術、呪禁道と結びつけ、彼が自ら細工をした日本刀で斬れば、それが例え致命傷で無くとも、例え霊体であろうとも、物理的に切断が不可能なものでも、

死ぬ。朽ちる。滅びる。沿岸に浮かぶ、廃艦になる護衛艦を一刀で沈めた事もあったらしい。科学の発展したこの時代に何が呪術だ、呪いだとも言われるかもしれないが、しかし、効果が実際であるからには認めざるを得ない。人を作り変えようという科学の野心は、遂に科学によって解明できないようなモノまでを生み出してしまった。戦車や装甲車などの重火器より、この男はよほど恐ろしい。ついでに、この男は反射速度、俊敏性、腕力、持久力、生命力などの身体的基礎能力も図抜けていた。東機関が採ったデータの蓄積の中でもこれほどまでに能力が向上した例は瀧以外には無い。もはやそれらの数値は人間の域を超えている。まさに、Hソイルによって強化されるべき運命にあったとしか言いようのないほどの能力を手にいれた男なのである。

勝てるはずがない。徳富はそう思った。自分のようなヒヨッコには、明らかに及ばない相手だと。しかし

退く訳にはいかない。
代わりの脇差をまたスーツの懐から引き抜いて、徳富はもう一度瀧に突貫する。

瀧は呆れたため息をついた。警告は十分にした。遠慮は要らない。もう相手の間合いで勝負してやる必要はない。相手は脇差、こちらは大太刀。近づかれる前にケリをつけてやる。

瀧は向かってくる徳富を、その
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