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真鉄のその艦、日の本に
第八話 人でなし
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人でなしなのだ。世の中自分達のような者ばかりなら、世は更に荒廃する。人でなしの論理を常人にまで押し付けてはいけない。こういった普通の人間らしさを持った人々を守る為にこそ、自分のような人でなしは存在を許されるのだ。自分達は、汚れ役、世の必要悪。
第一、荒廃した世の中では、自分だって自由に銀座で美人の姉ちゃん達と遊べなくなってしまうではないか。それは困る。大いに困る。

しかし、たまには人でなし扱いに対して、こんな風に突っぱねてみたくもなるものだ。


「さぁ〜て」


古本は、逃げて行った群衆の方に向き直る。ほぼ全員が背を向けて逃げ惑う中で、近衛師団の陣地に背を向けず、その場に残っている者たちがちらほら居た。彼らが持っているのは、粗末な猟銃や火炎瓶、石などではない。歩兵用の自動小銃であり、彼らの表情は殺気に満ちていた。


「邪魔者が居なくなったなァ。勝負しよっか、飛虎隊の皆さ〜ん」


古本の顔は、飛虎隊の面々とは対称に、愉悦に歪んだ。




第九話に続く。



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