第四話 激突
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るだろうな。」」」
その時、地下の部屋に、バシュゥーーー…
という音が響いた。まるで、何かを打ち上げたかのような音。遠沢も聞いた事がある。それは、まさしく、ミサイルの、発射音。
「「「慌てる建御雷の姿をこの地下では見れないのが残念だ」」」
遠沢の体が総毛立った。
―――――――――――――――――――
「なっ!!!」
CICで、レーダー手長の山本が思わず声を上げた。建御雷のレーダーの画面に、唐突に一つの光点が出現した。その光点は、二神島の西側岸壁付近から突然現れ、そして、中共との国境線に向かって、高速移動を始める。
「二神島西側より、噴進弾一基出現!!針路2-9-0、中共艦隊に向け飛翔中!」
「何だと!?」
田中が、山本の言葉に、艦長席から身を乗り出した。
「統一戦線が、中共艦隊に向けて攻撃を?」
脇本は、この事態の意味をよく分かっておらず、田中の形相にきょとんとしている。
長岡は、一瞬置いて、何事かを理解した。
冷たい手で心臓を鷲掴みにされたような感覚。背筋が震え、縮み上がる。
建御雷が着陸している二神島から、臨戦体制を整え緊張状態にある中共艦隊へ、一発のミサイル。中共側から見れば、その一発のミサイルが実際の所、統一戦線側 から放たれたとは分からない。そもそも、建御雷が現在、国内のゲリラとの戦闘を行っているという事を理解しているかも定かではなく、この島に「陣営」が二 つ存在するという事を知らない可能性もある。
中共艦隊は。
この一発のミサイルを。
建御雷からの攻撃だと。
解釈するだろう。
第五話に続く。
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