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真鉄のその艦、日の本に
第三話 進撃
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全滅させちゃったよ。元々18:6やで。時間稼ぎ、囮の戦闘やって話はどないなったんやろ。あらくたいなぁ〜」

オペレーターから戦況を聞いて、上空警戒中の雷電改のコクピットで津村は呟く。このままだと、単艦で基地攻略という無茶も、至極簡単に終わってしまいそうな雰囲気である。
しかし、その時、雷電改のレーダーが、いくつかの影をとらえる。大きな影、そして数も多い。ちょうどその時、眼科の雲に切れ目が入る。水平線の向こうに、何か見えている。津村は、小首を傾げた。そして、その眉間にシワがよる。

「これ、中共艦隊ちゃうん…?」

―――――――――――――――――

二神島近海、中共と日本の国境付近に位置する二神島だが、中共側の海である。
中共艦隊が、建御雷の軍事行動に刺激されて、二神島近海まで出張ってきていた。
中国人民解放軍、東海第三艦隊。最新式の艦艇を揃えた艦隊ではないが、フリゲート艦5隻に、ヘリ母艦を擁する規模の艦隊である。
第三艦隊旗艦、ヘリ母艦「福建」のCICで、葉巻をくわえ煙草をくゆらせる老人が居た。

「日本海、ね。調子に乗るなよ小日本(シャオリーベン)。我々にとっちゃここは太平洋だ。我々人民共和国の玄関口をその国土で塞いでおいて、なおかつ好き勝手に軍を動かすなどとはな。」

恰幅の良い体格である。制帽を目深に被り、不敵に笑うのは、第三艦隊司令の張。
人民解放軍きってのタカ派、いや過激派である。
「挑発ととられても仕方がないぞ?」

ふう、と張が紫煙を吐く。その眼には鈍い光が宿っていた。



第三話fin
第四話に続く。











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