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真鉄のその艦、日の本に
第三話 進撃
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第三話 進撃


艦内は静まり返っていた。
張り詰めた空気である。緊張感。
各部署の担当の手には、封筒が。
その封筒には、時刻が記されている。
それぞれが、その封筒の時刻を今か今かと待ち構えている。

「14:00……訓練開始だな」

建御雷の戦闘指揮所に立った長岡が、手首の腕時計を見ながらつぶやくと、すぐにそれは始まった。

<上空警戒中の加藤機より建御雷、北東より噴進弾多数接近を確認!>

「対空戦闘○△□°!!機関最大戦速取り舵!」
「とーーりかーーーじ!!」


突如入った通信に、田中が声を上げる。
建御雷のエンジンがうなりを上げ、艦隊がぐぐっと左に傾く。操舵席の佐竹海曹長が、操縦桿を思い切り左に倒す。洋上艦に比べ、艦隊が操舵に追随するのが速い。

「一番隊各機、噴進弾排除に当たれ!二番隊各機は引き続き上空警戒!」

建御雷の遥か彼方の空、狭く苦しい、キャノピー越しに透き通るような空が広がるそのコクピットでヘルメット付属のレシーバーに叫んだのは、建御雷艦載機隊隊長の森。

「二番隊迎撃にあたります!二番隊全機○△□へ!」

応えたのは津村で、津村の戦闘機を初めとした戦闘機隊が、指定されたポイントに翼を翻して急行する。
そして津村が叫ぶ。

「二番隊、噴進弾8基撃墜、20基防衛戦突破!」

それを受けて、指示を出すのは砲雷長の本木。

「対空戦闘、目標諸元入力18基、撃ち方はじめ」
「うちーかたはじめー」

建御雷ブリッジ後方の垂直発射装置がその発射口を開放する。87式対空噴進弾の、その弾頭が顔を覗かせる。火を噴きはしない。訓練である。

「自軍噴進弾18基飛翔中!目標群到達まで三分!」

航海長の脇本が、操舵の佐竹に命ずる。

「下げ舵、高度100につけ!応急に備える」
「さーげかーじ!」

被弾に備え、建御雷は高度を下げる。ジェットコースターのようである。巨体が急激に潜り込んでいく。

「命中、16基、4基噴進弾防衛線突破なおも飛翔中」
「主砲迎撃、速射、撃ち方はじめ」

建御雷の双胴式の艦体の上部下部、計8門の火砲が、指定の方角にその砲身を向ける。

「撃墜2基、さらに二基近づく」「近接防御、チャフ展開、総員衝撃に備え」
「総員衝撃に備えーーー!」

戦闘指揮所の全員が、コンソールに頭をかかえて、うずくまる。艦内各所、全ての場所で同じような光景が繰り広げられていた。

<機関室被弾、第三甲板傷者多数>
<第二艦橋、火災発生>

被害報告に、艦内ではダメージコントロール要員が走り回る。
これが、出航からずっと繰り広げられている訓練であった。


―――――――――――――――――――


幹部食堂では、いつもの
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