第一話 接敵
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至近距離からの攻撃に、ひとたまりもなく敵は撃破されていく。
「機動力のある敵は、行動が制限される袋小路に放り込めばいい。」
狙撃を避け、待ち伏せからも避けた敵部隊は、その両方から逃げた結果、ある一つの地点に集まる。有田は基地の地図を見渡した時点でその場所の見当がついていた。
「遠沢、焼夷榴弾、東経◯◯北緯◯◯に一発」
遠沢は返事と同時にその場所に放つ。
その焼夷榴弾は建物の陰で密集した敵のど真ん中におちる。
突然の爆撃の浮足立った敵の一機が、その爆撃に逃げ惑った。
バゴッ
そうして建物の陰から出てしまうと、遠沢からの精密射撃に遭った。そして有田の指示でその場所に集まってきていた基地兵士から、一斉に携行ミサイルが放たれる。
次々と、次々と猛威を振るっていた敵が倒されていった。
「元々基地攻略は守る側が圧倒的優位。それに、機動力が武器の兵器で袋小路に迷い込んだり、強力な火器があるにも関わらず、待ち伏せに対して逃げの一手、もう一度攻める事すらしない奴らだ。兵器の性能で最初圧倒していただけで、大した敵ではない。」
つぶやきながら、自分の手で無精髭をさする有田。これはほっと一息つく時の有田の癖である。
そこに、通信が入る。
<有田大尉、敵機動兵器11機の沈黙を確認。残り一機現在捜索中>
有田はため息をついた。
「ふぅん、読み切れん奴がおったか」
―――――――――――――――――――――――――――
襲撃が始まって時が経ち、近場の陸軍基地からも戦闘ヘリや装甲車が駆けつけつつあった。
それら援軍の重火器を擁した日本軍が、ボロボロの基地内を注意深く見て回る。
和気は、自分の機体を、破壊された格納庫の瓦礫の中に隠して様子を伺っていた。
安心して包囲を狭めつつある日本軍を…
「殺すッ」
部隊は全滅した。自分一人で脱出はままならない。思いの他の反撃に遭い、あまりにあっさり潰滅したのは確かだが、そもそも、撤退ルートの確保も適当で、生きて帰れる作戦ではなかった。最初から片道切符の襲撃だったのだ。結果として、死ぬのはわかっていたし、自分は一人ではない。ただ少しでも道連れに。
「!!」
半壊していた格納庫から、一機だけ残った人型兵器が突っ込んでくる。包囲していた歩兵、装甲車、戦闘ヘリが一斉に攻撃する。
しかし、速い。凄まじく速い。殺到するミサイルを、身をひねり、横っ飛び、転げ回って避ける。
まるで、映画のスタント。わざと外してるのではないかと思うくらいに当たらない。これでもかと言うほどに、当たらない。
不意に、人型兵器は飛び上がる。
宙に舞う。両手の機銃が火を吹く。
37mmもの口径のそれは、華奢な戦闘ヘリの機体を引き裂き、中のパイロットをみ
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