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八条学園怪異譚
第三十七話 テケテケその三
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「お店のこととかかるたのことは興味があるけれど」
「電車については」
「そこは人それぞれね、けれどね」
 それでもだとだ、テケテケは二人に言うのだった。
「いいわよ、電車は」
「ここ学園でも人気の場所って聞くけど」
「それだけのものがあるのね」
「そう、美術館に普通の博物館、図書館と並んでね」
 二人もこれまで行った三つの場所と並んでだというのだ。
「ここもデートスポットなのよ」
「そういう意味で人気の場所なの」
「そうなの」
「そうだったのね、ここって」
「デートスポットでもあったの」
「あんた達は百合デートみたいだけれど」
 テケテケがそう言うとだった、二人は眉を顰めさせてこう突っ込みを入れた。
「あんたひょっとして青木先輩とお知り合い?」
「あの人の影響受けてるとか?」
「いい娘よね」
 これがテケテケの二人への返答だった。
「お酒好きで楽しくて」
「ううん、やっぱりそうなのね」
「影響受けてるのね」
 二人もテケテケの話を聞いて納得した。
「あまりいい影響じゃないわね」
「百合とかって」
「別にいいじゃない、誰かに迷惑をかけない限り誰を隙になっても」
 テケテケはあっさりと返した。
「構わないでしょ」
「だから百合もいいの」
「そう言うのね」
「日本じゃ昔から駄目じゃないしね」
「織田信長とかよね」
「武田信玄もそうだったし」
「そう、別に悪いことじゃないでしょ」
 特にだというのだ。
「むしろそういうことを批判する方がおかしいでしょ」
「まあそういう「考えもあるけれどね」
「私達とは違うけれど」
 二人はノーマルなのでこう言うのだった。
「あまりそういうこと好きじゃないから」
「百合とかは」
「あんた達の場合はあくまで友達同士だからね」
 花子さんも二人のことを言う。
「妖しいものないからね」
「ないわよ、そういうのは」
「別にね」
「そうよね、まあそれじゃあね」
 ここまで話してだ、そしてだった。
 テケテケは二人の後ろの方を見てだ、その二人に笑顔で告げた。
「はい、じゃあね」
「口裂け女さん来たのね」
「今なのね」
「ええ、来たわよ」
 丁度今だというのだ。
「それじゃあ五人でね」
「鉄道博物館の中に入って」
「それで泉の候補地のところに行って」
「そうしよう、そういうことでね」
「いやあ、お待たせ」
 ここで口裂け女も挨拶してきた、いつものトレンチコートにズボンと帽子、そしてマスクという格好だ。
 切れ長の目と黒いロングヘアも健在だ、彼女はその姿で愛実達のところに来てそのうえで言って来たのである。
「今日はここで遊ぶんだね」
「いや、遊ばないから」
「調べるから」
「調べた後だよ、飲んだり食べたりするんだろ」

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