TURN82 ケツアル=ハニーその二
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「何度も失敗してそれなりに身に着けていっています」
「それなりか」
「はい、それなりにです」
やはりフランスを見て言うオーストリアだった。
「少なくともどちらも私やエイリスと渡り合えるまでにはなっています」
「東のハプスブルク、それにか」
「西のエイリスです」
かつて欧州ではそう言われていた。
「全ては経験があってこそです」
「外交はセンスではないのか」
「センスは磨かれるものです」
経験、それによってだというのだ。
「そういうものなので」
「そうか、では俺もか」
「これから学ばれることです」
ドクツ第三帝国は敗れたがまだ先があるとも言うオーストリアだった、そうした話もこの場でしたのである。
そしてイスパーニャは明るい顔で言った。
「では私達も参戦させてもらおう」
「条件があるにしてもね」
ローザも微笑んで言う。
「私達はエイリスとは戦わない」
「伊勢志摩軍は絶対に」
「ああ、こっちもそれは言わないさ」
フランスが夫妻に笑顔で応じる。
「それ以外の相手には宜しく頼むな」
「後ですが」
今度はフランス妹が言ってきた。
「お願いがあるのですが」
「お願い?」
「それは何かしら」
「夫婦喧嘩はお止めになって頂ければ」
幸いだと、フランス妹は切実な顔で夫妻に言う。
「これから」
「何を言っているんだ、あれは私達の恋愛だ」
「喧嘩する程と言うじゃない」
「それで誰も殺してもいないし怪我もさせていない」
「問題があるのかしら」
「戦争中に内戦は幾ら何でも」
フランス妹は常識から話す。
「ですから」
「むう、そう言うのか」
「それでなのね」
「艦隊をそれぞれ率いられての内戦は」
それだけはというのだ。
「だから本当にお願いします」
「それじゃあこうしないか?」
ここでフランスはオーストリアも認めはしているその外交を見せた。
「艦隊じゃなくてさっきやったみたいなフェシングでな」
「夫婦喧嘩を行う」
「そうしろというのね」
「ああ、それでどうだ?」
これがフランスの提案だった。
「これなら艦隊戦みたいに大掛かりでもないし内戦にもならないからな」
「しかもいい運動にもなる」
「だからなのね」
「ああ、そっちの方がずっといいと思うんだがな」
「そうだな、ではこれからはだ」
「毎日フェシングで手合わせをするわ」
二人もフランスの提案に笑顔で頷いた。
「では私達は二人共だ」
「艦隊を率いて参戦させてもらうわ」
「勿論俺もや」
スペインは右手を頭の後ろにやって名乗り出た。
「エイリス軍以外と存分に戦わせてもらうで」
「お願いします。それでなのですが」
日本はスペインの言葉を受けてから早速言ってきた。
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