TURN82 ケツアル=ハニーその一
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TURN82 ケツアル=ハニー
スペインとイスパーニャ夫妻は一時間遅れで部屋に入って来た、まずはスペインが至って能天気な調子で一同に言ってきた。
「ああ、待ってくれてたんやな」
「よく寝られたか?」
フランスは慣れた感じでそのスペイン達に尋ねた、彼はシャルロットと一緒に今までバレエのDVDを鑑賞していた。
「どうだったんだ、それは」
「ああ、ぐっすり寝られたで」
「ははは、起きて少し身体を動かしてしまったよ」
「二人でね」
イスパーニャ夫妻は笑顔で言う。
「いや、それで少し遅れてしまったかな」
「四時までというのは少し短いわね」
「ああ、兄ちゃん達来たんだ」
「早いじゃねえかこの野郎」
イタリアとロマーノはここで起きた、彼等も今までシェスタをしていたのだ。
二人は寝ぼけ眼をこすりながらこう言う。
「じゃあ今からだよね」
「政治の話だな」
「そうとも。さて、同盟の話だが」
イスパーニャはソファーに、右にスペイン、左にローザを置いてそのうえで深々と座ってからそのうえで言った。
「喜んで受けたい」
「何か随分あっさりと決まったな」
ドイツはいつもの難しい顔で呟いた。
「待った割にはな」
「伊勢志摩はこんなものですが」
オーストリアがそのドイツに言う。
「待ちますがそれでもです」
「決まることはあっさり決まるか」
「おそらく既に決めていたのでしょう」
「この話をこちらからした時にか」
「はい、その時に」
伊勢志摩としては決めていたというのだ。
「後は我々は待つだけだったのです」
「朝、そして今もか」
「同盟を結べそれが利益になることを考えれば一日位どうということはありません」
オーストリアはこの辺りは割り切っていた。
「一日が何年にもなりますから」
「それはそうだな」
「外交に焦りは禁物です」
実際に落ち着いて言うオーストリアだった。
「では今回の同盟締結を祝福しましょう」
「どうも外交では御前には劣るな」
ドイツもこのことを認める、自分で。
「俺も勉強しなくてはな」
「外交は経験です」
オーストリアはドイツにこうも言う。
「何度も何度も失敗をしてそれで身に着けていくものです」
「失敗をか」
「私も何度も失敗してきました」
「そうは見えないがな」
「それを見せないだけです」
その失敗をだというのだ。
「それだけのことです」
「そうか」
「はい、そうです」
「失敗を見せないことか」
「それもまた政治であり外交ですので」
「そういえばこの連中は」
ドイツはフランス、そしてイアリア兄弟をここで見た。
「失敗も多いがな」
「特にフランスはですね」
何気にフランスのことを言うオーストリア
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