プロローグ
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選択肢《・・・》を選んだ後だったが
そして、自分達はまた知らない大人に引き取られ、叫び声に促されるまま付いていき……そして渡されたのは一つの鉄の塊であった。
それが銃であるということは理解していた───ただし、自分が思った銃というのは玩具の銃だが。
こんな怖い人が何でそんなものを渡すのだろうと周りの子供と一緒に思いながら受け取り、重くて最初は持てなかった。
そして、それを見た大人が苛立ちながら簡単に銃の持ち方を教え───そこで大きな音が鳴った。
なんて無様で無粋な音
そして、自分達はその音で連れられた。
連れられた場所は語彙が少ない自分には解らないが……簡単に言えば地獄であった。
寝転がっていると思ったら死体であり、絵の具かと思ったら血であり、人体模型についているアレみたいなのがあるかと思えば、それは■■であった。
ひっ、と最初に悲鳴を上げたのは誰だったか。
その光景を見て、自分達がここにいるのは間違いであると自覚したのだ。
ここは死者の国だ。
生きている自分がここにいたら、何れ引きずり込まれる。
逃げなくてはという思考が爆発的に大きくなる。
何か、そこに切っ掛けがあればそれに行動を移したくなる。というか、移したいという欲求は強くなり
───ああ、くそ。馬鹿野郎。
最初に逃げたのは自分じゃなくて、違う子供であった。
再び、爆音みたいなものが鳴った瞬間にストレスが限界値にまで膨れ上がってしまったが故の行動であった。
そして、自分達も、その子供の行動を見て一緒に逃げてしまおうと思ったのだ。
恐らく、後、一秒くらいあったら絶対に両手にある重みを捨てて走っていた。
しかし、その一秒後の未来はあっという間に崩壊されていた。
パンっと軽い音。一つの肉の体が軽く飛んだ。
結果として恐慌は無くなった。
逃げられないという事実を知ったから。
そして最大の恐怖が遂に現れる。
前方から何人もの人が現れたのだ。
相手は大人で、こっちに驚いている。あちら側にとっても不測の事態であるというのが表情でわかるものであった。
そこに連れてきた大人達がまた意味が分からない言葉で叫ぶ。
それに対して相手は驚きながらも、こっちに手にあるものを向けている───銃であり杖らしきものを。
そこまで考えてふと思った。
自分を引き連れた大人が後ろ側にいる事に。
つまり、それは自分達を元から生かして返すつもりではなく、死兵として消費することであったのだとこれも未来に知る。
動こうにも足が固まっている。
引こうにも周りには自分と同じ境遇の仲間がいて、後ろに戻れない。
詰んだ。何もかもが詰んだ。
そう───もう自分が今のままでいることはもう不可能である。
絶望は一瞬。
覚悟など
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